勝ってなお残る不満…ノリス「勝つためなら何でもしたい」ピアストリとの競争、チーム戦略への本音/F1ハンガリーGP

  • Published: Updated:
  • Googleで優先するソースとして追加する

今季初勝利を手にしてなお、ランド・ノリス(マクラーレン)の中には不満が残っていた。チームが下した戦略的判断に、完全には納得していなかった。

7月26日に行われた2026年F1第11戦ハンガリーGPの決勝で、ノリスはチームメイトのオスカー・ピアストリ(マクラーレン)をオーバーカットで逆転し、ポール・トゥ・ウインを達成した。

だが、その過程では、自身の方が速いとチームに訴えながらもピアストリの後方で待たされ、アンダーカットを狙うための先行ピットストップも認められず、苛立ちを募らせた。それはピアストリがリタイヤした後も続いた。

レース後、ディフェンディング王者は「レースに勝つためにできることは何でもしたい」と、飽くなき闘争心を隠さなかった。

アンダーカット拒否「僕の方がはるかに速い」

ランド・ノリス(マクラーレン)を従えてハンガロリンクを走行するオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、2026年7月26日(日) F1ハンガリーGP決勝Courtesy Of McLaren

ランド・ノリス(マクラーレン)を従えてハンガロリンクを走行するオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、2026年7月26日(日) F1ハンガリーGP決勝

ポールポジションからスタートしたノリスはレース開始早々、ピアストリに首位を明け渡した。その後はピアストリの後方を走りながら、自身の方が速いと繰り返しチームに訴えた。

2回目のピットストップが近づくと、ノリスは先にタイヤ交換を行い、アンダーカットを仕掛けたいと訴えた。だが、コース上で先行していたピアストリに戦略上の優先権が与えられ、その要求が退けられると、ノリスは無線で不満を漏らした。

「つまり、僕にはやらせないってこと? 僕の方がはるかに速いんだぞ」

当時、2台のマクラーレンは、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)にアンダーカットされる危機にさらされていた。そのためピットウォールは、チーム内の規定に従い、コース上で先行するピアストリを優先してピットへ入れる判断を下した。

チーム代表のアンドレア・ステラは、「オスカーがピットに入るまで、彼はターン1とターン2での攻防によって、公正な形で首位を奪っていた。したがって、彼には勝利を目指す機会が与えられるべきだった」と振り返った。

ピアストリがトラブルでリタイヤした後も、無線上の緊張は続いた。ノリスがターン4とターン8で挙動を乱すと、チームは「君が最速なのは明らかだ。証明する必要はない」と伝え、リスクを抑えるよう求めた。

チーム方針理解も、譲れぬ本音

ノリスはチームの方針に理解を示す一方、自身が先頭に出れば、より確実にマクラーレンへ勝利をもたらせると考えていたと説明した。

「僕はただレースに勝ちたいだけだ」とノリスは語った。

「チームには一定のルールがある。勝ちたいからといって攻撃的になりすぎて、お互いのレースを台無しにすることはできない。でも僕は勝ちたいし、間違いなく彼よりはるかに良いペースがあった」

「その方がレースに勝てる可能性は、ずっと高かったと言っていい」

先行ピットが認められなかったノリスは、ピアストリがタイヤ交換を終えると、クリーンエアを得てプッシュを続けた。必要なギャップを築き、ピアストリより長く走った後にピットへ入り、チームメイトの前でコースへ復帰した。

この逆転には、ノリス自身のペースに加え、周回遅れのカルロス・サインツ(ウィリアムズ)と接触したピアストリがタイムを失ったことも影響した。

優勝トロフィーを手に笑顔を見せるランド・ノリス(マクラーレン)、2026年7月26日(日) F1ハンガリーGP決勝(ハンガロリンク)Courtesy Of McLaren

優勝トロフィーを手に笑顔を見せるランド・ノリス(マクラーレン)、2026年7月26日(日) F1ハンガリーGP決勝(ハンガロリンク)

「アンダーカットしたかったんだ。僕のペースなら、彼[ピアストリ]に対してピットストップ1回分の差を築けただろうし、必要ならもう一度ピットストップすることもできたと思う」とノリスは語る。

「あるいは、僕が先に入れば、オスカーを早めにピットインさせることになったはずだ。そうなると、早すぎるストップによって、僕ら2人のレースが損なわれる可能性もあった。そんな紙一重の状況でもあった」

「[マクラーレンが下した判断は]チームとしての最善を考えたものだった。チームが僕に反論するのも当然だ。でも僕はもちろん、レースに勝つためにできることは何でもしたいと思ってる」

優勝を祝うチームフォトで「P1」ボードを囲み笑顔を見せるランド・ノリス(マクラーレン)とチーム代表アンドレア・ステラ、オスカー・ピアストリらチームメンバー、2026年7月26日(日) F1ハンガリーGP決勝(ハンガロリンク)Courtesy Of McLaren

優勝を祝うチームフォトで「P1」ボードを囲み笑顔を見せるランド・ノリス(マクラーレン)とチーム代表アンドレア・ステラ、オスカー・ピアストリらチームメンバー、2026年7月26日(日) F1ハンガリーGP決勝(ハンガロリンク)


2026年F1第11戦ハンガリーGP決勝では、ランド・ノリス(マクラーレン)が今季初優勝を飾った。2位はマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、3位表彰台にはアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が滑り込んだ。

ザントフォールト・サーキットを舞台とする次戦オランダGPは、4週間近くにわたるサマーブレイクを経て8月21日のフリー走行1で幕を開ける。

F1ハンガリーGP特集