Bスペック投入初日の綱渡り、アストンマーティン「非常に野心的な一日」の舞台裏

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リア・サスペンションの破損によって1台を失い静寂に包まれたガレージで、アストンマーティン・ホンダはBスペックの実戦投入に伴って顕在化したリスクと向き合っていた。チーム・アンバサダー兼チーム代表者を務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、この日を「非常に野心的な一日」と表現した。

2026年F1第11戦ハンガリーGPの初日プラクティスは、アストンマーティン・ホンダにとって明暗が交錯する一日となった。

今シーズン初の大規模アップグレードを投入したこの日、フェルナンド・アロンソが有望な結果を残した一方、チームはランス・ストロールの離脱で走行時間を失い、残った1台でプログラムを進めなければならなかった。さらに、一部の空力パーツのスペアが底をつくという綱渡りの現実にも直面した。

1台脱落の窮地、アロンソ車でデータ取得

ストロールは左リア・サスペンションの故障により、フリー走行1回目(FP1)を早々に終えた。幸い、同種の問題はアロンソ側には発生せず、チームは残った1台でデータ収集を続けた。

デ・ラ・ロサは、ストロールの足止めという予期せぬ出来事に落胆しつつも、アロンソの走行から得られた成果に強い手応えを示した。

「今のところ結果は有望だと思う。確かに、ランスのマシンでサスペンションのトラブルが発生したため、かなり多くの走行時間を失ってしまった。それでもフェルナンドの方でデータを収集することができたし、結果は非常に期待できるものだった」

「間違いなく正しい方向への一歩を踏み出すことができた。それはほぼ、我々が期待していた通りの結果であり、とても心強く感じている」

計画一手に背負うも「ほぼすべてこなせた」

1台を失ったことで、チームは計画していたプログラムを圧縮しつつ、その全てをアロンソ一人に託さなければならなかった。それでもデ・ラ・ロサは、取り組むべき作業をほぼすべてこなせたと振り返る。

FP2終了後のインタビューに応じるアストンマーティン・ホンダのチーム・アンバサダー兼チーム代表者を務めるペドロ・デ・ラ・ロサ、2026年7月24日(金) F1ハンガリーGP(ハンガロリンク)copyright FORMULA 1

FP2終了後のインタビューに応じるアストンマーティン・ホンダのチーム・アンバサダー兼チーム代表者を務めるペドロ・デ・ラ・ロサ、2026年7月24日(金) F1ハンガリーGP(ハンガロリンク)

FP1では、新しいパッケージを理解するため、一定速度での走行を繰り返して空力データを収集した。フリー走行2回目(FP2)では、そこで得た知見を基にセットアップの最適化を進めた。

その後は通常のプログラムに戻り、2種類のタイヤを試したうえでロングランを実施した。アップグレードがタイヤのデグラデーションや、重い燃料を積んだ状態でのバランスにどう影響するかを確認した。

本来であればすべて、2台で分担して進めるはずの作業だった。

デ・ラ・ロサは、「できる限り多くのことをこなそうとしたが、1台を失ったことで、プログラムを少し詰め込まなければならなかった」と振り返ったうえで、この慌ただしい一日を「非常に野心的な一日」と評しつつ、「やるべきことはほぼすべてこなせたと思う」と手応えをのぞかせた。

アロンソの評価が裏付ける「正しい方向への一歩」

アロンソはセッション後、時折表情を緩ませながら、BスペックAMR26の具体的な変化を挙げ、非常に前向きに評価した。デ・ラ・ロサは、こうしたアロンソのフィードバックを、開発の方向性が正しかった証左と捉えている。

「間違いなく正しい方向への一歩を踏み出すことができた。それはほぼ、我々が期待していた通りの結果であり、とても心強く感じている」とデ・ラ・ロサは自信をのぞかせた。

「今夜はデータを詳しく分析し、シミュレーションとの相関関係を確認する必要があるが、現時点ではすべてが順調に見える」

「明日もさらに一歩前進できるよう、どのようなセットアップがドライバーに最も自信を与えられるのか、どのような方向性でマシンを走らせるべきかを理解していきたいと思っている」

一方、デ・ラ・ロサは、ドライバーたちが初走行の内容に完全には満足していなかったと明かしたうえで、現在の課題を次のように説明し、アロンソだけでなくストロールからもフィードバックを得る必要性を強調した。

「ランスは、遅れた分を取り戻し、チームにより多くのフィードバックをもたらす必要がある。それが今の我々に必要なことだ」

予備パーツ不足が突きつけるリスクと現実

ガレージでコクピットに収まるランス・ストロール(アストンマーティン・ホンダ)、2026年7月24日(金) F1ハンガリーGP FP1(ハンガロリンク)Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

ガレージでコクピットに収まるランス・ストロール(アストンマーティン・ホンダ)、2026年7月24日(金) F1ハンガリーGP FP1(ハンガロリンク)

ストロールがFP2を走れなかった最大の理由は、パーツ不足にあった。チームは新しいパッケージの投入にすべてを注いできたため、スペアパーツをほとんど準備できていない。

デ・ラ・ロサは、ストロールが翌日にBスペックで走行できるとの見通しを示しつつも、「スペアパーツにはほとんど余裕がない。実際、それがランスが2回目のセッションを走れなかった最大の理由だ」と語った。

特に不足しているのは、新しい空力パーツだという。チームはイギリス・シルバーストンのファクトリーから不足しているパーツを空輸し、土曜日のフリー走行3回目(FP3)と予選に向けて、ストロールのマシンを最新仕様に整える計画だ。

こうしたリスクがある以上、決勝までマシンを損傷させずにたどり着くことが不可欠となる。デ・ラ・ロサは、ドライバーたちもその事情を理解していると語った。

「そのことはドライバーたちも理解している。だからこそ、コースアウトなどで余計なダメージを負うことなく、無事に決勝レースまでたどり着かなければならない」


2026年F1ハンガリーGPの初日FP2をトップで締め括ったのはルイス・ハミルトン。シャルル・ルクレールが0.148秒差で2番手に続き、フェラーリが存在感を示す結果となった。

FP3は日本時間7月25日(土)19時30分から、公式予選は同23時から1時間に渡ってハンガロリンクで開催される。セッションの模様はフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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