ジェームズ・ヴァウルズ(ウィリアムズ代表)、2025年5月24日(土) F1モナコGP予選(モンテカルロ市街地コース)
Courtesy Of Williams

ジェームズ・ヴァウルズ、ウィリアムズF1と”長期契約”締結

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ウィリアムズ・レーシングは2025年6月19日、チーム代表を務めるジェームズ・ヴァウルズとの間で「新たな長期契約」を締結したと発表した。具体的な年数については明かされていない。

ヴァウルズ体制の継続、復活への布石

ヴァウルズはF1で20年以上のキャリアを誇り、メルセデス在籍時には9度のコンストラクターズ選手権制覇と120勝以上の偉業に貢献した。2023年シーズンに先立ちメルセデスを離れ、ウィリアムズの歴史上わずか3人目となるチーム代表に就任。以来、抜本的な組織改革を牽引している。

長期的な低迷からの脱却と、1997年以来となるチャンピオンシップ制覇を目指す中で、ヴァウルズ体制の下、ウィリアムズは今季、その成果を示し始めている。

今季開幕10戦終了時点でチームは55ポイントを獲得し、コンストラクターズ選手権5位につけている。これは過去3シーズンの合計ポイントを上回る数字であり、2016年以来の好成績となっている。

ドライバーラインアップも強化され、アレックス・アルボンに加えて、今季はフェラーリからカルロス・サインツが加入。さらにアトラシアンとのタイトルスポンサー契約や、エンジニアリング部門の人材補強も進められており、再建計画は着実に前進している。

首脳陣の期待、ヴァウルズの決意

ヴァウルズの契約延長について、ウィリアムズおよび親会社であるドリルトン・キャピタルの会長、マシュー・サヴェージは次のようにコメントした。

「ジェームズが我々との新契約にサインし、共通の使命に自らの将来を託してくれたことを嬉しく思う。彼はウィリアムズを再び表彰台の頂点へ導くために必要な経験とエネルギー、そして戦略的リーダーシップをもたらしている。まだ道半ばではあるが、グローブでは確かな勢いが育まれており、将来に大きな期待を抱いている」

一方、ヴァウルズ自身も契約について、次のように語った。

「新たな契約を結べたことを嬉しく思う。このチームは初日から“自分の居場所”だと感じさせてくれた。すでに多くの素晴らしい瞬間を共にしてきたし、我々は皆、この歴史あるチームを再び世界王者に導くという同じ野心を共有している。過去2年間は土台作りに注力してきたが、いまや栄光を目指すためのプラットフォームは整った」

復活への本格始動

ウィリアムズはF1における伝統的な名門チームでありながら、近年は長期低迷が続いていた。2020年にドリルトン・キャピタルの傘下に入り、2023年からはヴァウルズの下で体制刷新に着手。だが、真の復活には中長期的視野と継続的な改革が不可欠だ。

今回の契約延長は、組織としての安定を確保しつつ、継続的なチーム強化を加速させる意味を持つ。いよいよ、ウィリアムズの「第二の黄金時代」へ向けた本格的な挑戦が始まることになる。