アルピーヌA525をドライブするジャック・ドゥーハン、2025年5月3日F1マイアミGPスプリント(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)

アルピーヌF1、次戦イモラに向けドゥーハン解雇を検討との報道―1周目DNFのマイアミを経て

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2025年F1第6戦マイアミGPの決勝レースを終えて、アルピーヌがイモラ・サーキットでの次戦エミリア・ロマーニャGPに向けて、ジャック・ドゥーハンの解雇を検討していると複数の専門メディアで報じられている。

ドゥーハンは今年、エステバン・オコンの後任としてアルピーヌから初のフル参戦を果たしたが、フェルナンド・アロンソ、リアム・ローソン、ガブリエル・ボルトレートと並び、マイアミまでの開幕6戦で一度もポイントを獲得できていない。

雨の開幕オーストラリアGPではクラッシュ、中国GPではスプリントと本戦でペナルティを受け、日本GPではフリー走行で再びクラッシュ。そしてマイアミGPでは、1周目のターン1でリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)と接触し、再びリタイアした。

唯一の光明といえるのは、マイアミの予選で初めてチームメイトのピエール・ガスリーを上回ったことだが、決勝での早期リタイアによりその成果も色褪せてしまった。

当初の方針に変化? イモラでの交代も視野か

アルピーヌは当初、少なくとも夏までドゥーハンにチャンスを与える方針で一致していたとされるが、マイアミGPを終えて、チーム内部での方針転換の可能性が取り沙汰されており、早ければ次戦イモラを前にした交代も視野に入っていると伝えられている。

英専門メディア『The Race』は、「シーズン序盤のうちに、早ければ、2週間後にイモラで始まる3連戦までに変更が決定される可能性がある」と報じた。また、オランダの『RacingNews365』も「エミリア・ロマーニャGPでドゥーハンに代えてコラピントが起用される可能性が高まっており、最終決定が迫っている」と伝えた。

報道についてアルピーヌは「噂にはコメントしない」としており、チーム代表のオリバー・オークスも決勝後のメディア対応を行わなかった。

オークスはマイアミでの週末に先立ち、「現時点でジャックは、ピエールと並ぶ我々のドライバーだ」としつつも、「評価は常に行われている。今日の時点ではそういうことだ」と含みを持たせたコメントを残している。

コラピント起用を後押しする“外的要因”

代役候補として名前が挙がっているのが、2024年にウィリアムズから途中参戦しポイントを獲得した実績を持つフランコ・コラピントだ。アルピーヌのエグゼクティブ・アドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレもコラピントの起用に前向きとされる。

商業的な後ろ盾も厚く、南米系スポンサー、特にアルゼンチン国営石油会社YPFからの支援を受けており、起用に向けた外的圧力も存在する。YPFはアルピーヌと直接の契約はないものの、同チームの燃料パートナーである伊Eniと2月より戦略的パートナー関係を結んでいる。

つい先日は、YPFのオラシオ・マリンCEOがアルゼンチンのTV放送で「イモラで」と発言したことから、コラピントが5月16日〜18日に行われるF1エミリア・ロマーニャGPで再びマシンに乗るのではとの憶測が一気に広がった。これを受け、マリンCEOは別の番組で、個人の期待が先走ったと釈明している。

一方のドゥーハンは、レース後に「不運な出来事の多くは自分のコントロール外にあることばかりだった」と語り、次戦イモラに向けては「気持ちを切り替えて挑みたい」と巻き返しへの意欲を示した。

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