スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅は、2023年シーズンに向けた自身の去就が遅々として決まらない状況に置かれた事で、少なからず不安を感じる日々を過ごしていたようだ。

僚友ピエール・ガスリーのアルピーヌ移籍の見通しが定まらない中、チームはシンガポールGPの開幕を8日後に控えた22日(木)、22歳の日本人ドライバーとの契約更新を発表した。

メルセデス時代のバルテリ・ボッタスが事ある毎に指摘している通り、契約が決まらない状況は仕事の妨げになり得るという点でドライバーにとって決して好ましいものではない。

残留発表を経て角田裕毅はチームのポッドキャスト「Tauri Talk」の中で次のように述べ、ステアリングを握っている時は別にしても、それ以外の場では去就が決まらない事を不安に感じていたと認めた。

「ヘルメットを被ったりクルマに乗り込んだ途端に、そういった事を忘れてしまうのが僕の強みですが、レース以外の場では、特にここ3、4戦は少し気掛かりでした」

「でも、それはそれとして、昨年に比べれば自信もありますし、自分のパフォーマンスやチームへとサポートという点で集中して取り組めていると思います」

「残りのシーズンも目標は変わりません。楽しみにしていますし、契約が発表されて間違いなく気分は良いです」

宙ぶらりん状態に心が落ち着かなかったのはドライバー本人だけではなかった。残留の朗報を経て角田裕毅は、まず先に両親にそれを知らせた。

「特に父はこの件に関して少し心配していましたので、電話をしました」

ルーキーイヤーと比較して最も改善した部分は何か？と問われると「お腹を見てもらえれば、その違いはすぐに分かると思うんですけどね（笑」と冗談を飛ばした。

「一番変わったのは肉体面ですね。正直に言うとドライビングの方は（それに比べれば）少しではありますが、アプローチ方法やメンタル面ですね」

「より自分を律する事ができるようになって、よりリラックスした状態で週末に臨めています」

「去年の経験を通して、ほぼあらゆる状況に対応できるようになったので、そういった部分が差に繋がっていると思います」