FIA、ADUO査定の再検証に着手。レッドブルが「F1指標エンジン」判定に異議

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レッドブルからの要請を受け、国際自動車連盟(FIA)がADUOの査定結果の見直しに着手したと複数の専門メディアが報じた。レッドブルは、自社の内燃エンジン(ICE)がF1の指標と判定された理由について、明確化を求めているとされる。

第1評価期間の査定では、レッドブルが最良エンジンと判定されたと広くみなされている。この結果、コンストラクターズ選手権で4位のレッドブルはアップグレードの対象から外れた。一方で、選手権を圧倒的にリードするメルセデスを含む他のメーカーには、アップグレードが認められる見込みとなっている。

FIAがADUO再検証へ、発表遅れる

FIAはレッドブルとの協議を経て、第1評価期間に該当する開幕5戦のデータを見直し、結論を再確認することに同意したとされる。

イギリスの専門メディア『The Race』によれば、これには各マシンに取り付けられているパワーセンサーの測定値の検証も含まれるという。この測定値は、評価材料の一つとして使用されているとみられている。

イギリスの専門誌『Autosport』によると、FIAは6月8日(日)にこの作業を開始した。完了までには1週間から10日ほどかかる見込みだとされる。

ただし、今回の見直しは評価結果の変更を前提としたものではない。FIAは、当初の査定が事実として正しいかを改めて検証するものとみられる。

カナダGPの14日後以内に公表されるはずだった公式発表がいまだに行われていないのは、このレッドブルによる再検証の要請が理由とされている。

最良ICE判定に困惑するレッドブル

レッドブルはADUOの査定結果について、公にはコメントしていないが、今回の判定に困惑したとされる。自社の分析では、メルセデスに遅れを取っているという結果が出ていたためだ。

レッドブルは今季、メルセデスとの差を詰める手段としてADUO制度の適用を見越していた。だが、最良のICEと判定されれば、アップグレードの権利は得られない。

もっとも、レッドブルはADUO査定に対して正式な抗議を申し立てることはできない。

規則には専用の抗議手続きがなく、FIA国際競技規則上の異議申し立ての権利もPUメーカーを対象としていないためだ。

ICE評価とPU強化権利の乖離

ADUOは、性能面で後れを取るメーカーに開発の機会を与えるための制度だが、今回の件では本制度が抱える矛盾にも改めてスポットライトが当たっている。測定の対象と、それに連動するアップグレード権の対象との間には、ズレがある。

測定対象はICEの性能に限られるが、ADUOの対象となれば、技術規則の付則で指定された範囲内でエネルギー回生システムの一部を含むICE以外の要素もアップグレードできる余地が生じるためだ。

もっとも、ICEのみを対象とする現行のシンプルな評価方法は、昨年の春にすべてのチームとメーカー自身が賛成票を投じて決定したものだ。

FIAのシングルシーターディレクターを務めるニコラス・トンバジスによれば、FIA側はターボ圧などの考慮も提案したが、メーカー側の総意により現在の方法が採用されたという。

仮に査定が正しければ、レッドブルは最も強力なICEを持つことになる。だが、総合的なパワーユニットとしてはメルセデスが依然として最良というのがパドックの共通認識だ。

現行の結果のままでは、支配的なメルセデスがさらに性能を強化する機会を得ることになる。これは、ADUO本来の意図とはかけ離れた事態と言える。