
F1 CEO:フェルスタッペンの規則批判に「耳を傾ける必要」を強調も、発言の”重み”と責任に言及
2026年導入の新たなF1レギュレーションに対するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)の批判について、F1のステファノ・ドメニカリCEOは、真剣に受け止める必要があるとの認識を示した。
フェルスタッペンは、レースの中核にエネルギーマネジメントが据えられたことで、ドライバーの腕が問われる場面が激減しているとして、これまで繰り返し強い不満を表明してきた。電動エネルギーの展開と回生をめぐるこの問題には、他のドライバーからも批判の声が上がっている。
そうした中、ドメニカリは4月15日に公開されたイギリスの専門誌『Autosport』とのインタビューの中で、ドライバーとF1の対立構造を描く見方を牽制しつつ、4度のF1ワールドチャンピオンであるフェルスタッペンの声には「耳を傾けなければならない」と述べた。
このタイミングでのF1トップのこの発言は大きな意味を持ち得る。というのも、統括団体の国際自動車連盟(FIA)、各チーム、パワーユニットメーカー、そしてF1の商業権を持つフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)は現在、規則調整に関する協議の真っ只中にあるためだ。
「理解はしている。ただ重みも知るべきだ」
Courtesy Of Red Bull Content Pool
パルクフェルメで談笑するマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とジョージ・ラッセル(メルセデス)とステファノ・ドメニカリ(F1 CEO)、2025年3月16日(日) F1オーストラリアGP(アルバート・パーク・サーキット)
フェルスタッペンは、新たなレギュレーション下でエネルギーマネジメントの比重が増したことに強い違和感を示してきた。全開かつ限界まで攻め合うバトルが減少し、レースの性質そのものが好ましくない方向に変貌したと考えている。
フェルスタッペンの不満は規則に向けられているが、それは自身の将来にも波及している。第3戦日本GPの週末には、2026年限りでF1を去ることを真剣に検討していると認めたうえで、目下検討が行われている規則変更の動向が、彼のF1キャリアに決定的な影響を与えると示唆した。
「マックスとは何度も話し合ってきた」とドメニカリは語る。「だから、私が彼の発言を理解していること、そして彼が全体像を理解していることは、互いに認識している」
「今日でさえ、彼は会議に出席し、本当に熱心に提案をしてくれた。私は対立を生み出そうとする罠にはまりたくない。それは私の本意ではないし、我々が望む姿でもない」
「だから、私たちは一緒にやっていく。彼は最高のドライバーであり、世界王者であり、複数回の世界王者だ。だから当然、彼の声には耳を傾けなければならない」
一方で、「彼は自身の発言に重みがあることを理解しているが、その重みを尊重しなければならない。なぜなら時に、人々に誤解される可能性があるからだ。そのような事態を許してはならない」とも語り、影響力の大きい立場だからこそ、フェルスタッペンは軽率な発言を自重する必要があるとも指摘した。
焦点はパラメーター調整、4月20日が節目
現在行われている協議では、開幕戦オーストラリアGPから日本GPまでの3戦で露呈した技術面および競技面の課題が議題となっている。すでに9日(木)に会合が行われ、本日16日(木)には技術的な会合が予定されている。
さらに、週明け20日(月)には、各チームの代表やCEO、パワーユニットメーカー、ドメニカリら上級職が参加する重要な会合が開かれる。この場で具体的な規則変更に関する合意が形成され、世界モータースポーツ評議会(WMSC)の承認を経て、5月3日の次戦マイアミGPまでにレギュレーションが変更される見通しだ。
変更の対象は、ハードウェアとしてのパワーユニット本体ではなく、エネルギー回生とデプロイメントに関する各種パラメータになるものとみられる。これらの規則調整により、レースにおけるエネルギーマネジメントの影響低減と安全面の改善につながることが期待される。
一方で、この変更がフェルスタッペンを翻意させるものになるかどうかは不透明だ。フェルスタッペンは「僕が願っているのは、来年に向けて十分な調整がおこなわれることだ」と語っており、小幅な修正だけでは、彼が求めるものに届かない可能性がある。