
中嶋一貴がル・マンで駆る。トヨタ液体水素プロトタイプ「TR LH2」初の一般公開デモ走行へ
トヨタ・レーシングは、次週に開催される第94回ル・マン24時間レースの舞台、サルト・サーキットにおいて、液体水素を燃料とする「TR LH2 Racing Prototype」にとって初となる一般公開デモンストレーション走行を実施する。
ステアリングを握るのは、元F1ドライバーでル・マン24時間レースを3度制した中嶋一貴だ。走行は6月11日(木)の現地12時50分(日本時間19時50分)と、6月13日(土)の現地12時45分(日本時間19時45分)の2回。水素エンジンならではのサウンドと興奮を、サーキットを訪れたファンに届ける。
11日(木)の最初の走行では、トヨタの液体水素マシンに加え、気体水素を燃料とするアルピーヌの「アルペングロー」が同時に登場する。
さらに、13日(土)の2回目のセッションでは、これら2台に加えてリジェとボッシュの共同開発車両「JS2 RH2」が合流。計3台の水素プロトタイプが競演を果たす。
Courtesy Of TOYOTA MOTOR CORPORATION
トヨタの液体水素燃料プロトタイプ車両「TR LH2 Racing Prototype」のフロントクオータービュー、2026年6月4日(水)
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トヨタの液体水素燃料プロトタイプ車両「TR LH2 Racing Prototype」のサイドビュー、2026年6月4日(水)
富士からサルトへ、トヨタ水素開発の系譜
トヨタはこれまで、モータースポーツの舞台で水素エンジンの開発に挑んできた。その原点は日本のスーパー耐久シリーズに参戦するROOKIE Racingの「ORC ROOKIE GR Corolla H2 Concept」にある。
2021年より気体水素を燃料として過酷なレースの現場でデータを蓄積すると、2023年には燃料を液体水素にシフト。さらに同年には、そのGRカローラがサルト・サーキットへと渡り、デモ走行を披露している。同時に、将来のル・マン参戦を見据えたコンセプトカーである「GR H2 Racing Concept」も発表された。
開発の波はサーキットにとどまらず、ラリーへも波及。2022年の世界ラリー選手権(WRC)でのデモ走行を皮切りに、2025年のラリー・フィンランド、そして今年のラリー・モンテカルロでは「GR Yaris Rally2 H2 Concept」が走行を披露した。
昨年のル・マン24時間レースでは、液体水素を燃料とする「GR LH2 Racing Concept」が初めて展示公開された。それからわずか1年後となる今年、ル・マン24時間レースに参戦するGR010 HYBRIDと同一シャシーをベースに開発された「TR LH2 Racing Prototype」が、初の一般公開走行へと踏み出す。
フランス西部自動車クラブ(ACO)は2018年からミッションH24とともに、モータースポーツへの水素導入を推進してきた。これまでにも燃料電池を搭載する「LMPH2G」や、2022年のロード・トゥ・ル・マンに参戦した水素燃料電池プロトタイプ「H24」などが走行を実施。着実に道を切り開いてきた。
H2ビレッジでは燃料補給も見学可
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トヨタの液体水素燃料プロトタイプ車両「TR LH2 Racing Prototype」のリアビュー、2026年6月4日(水)
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トヨタの液体水素燃料プロトタイプ車両「TR LH2 Racing Prototype」のフロントビュー、2026年6月4日(水)
今回の一般公開デモ走行に先立ち、TR LH2 Racing Prototypeは水素技術を紹介する特設の展示エリアである「H2ビレッジ」にて事前に展示される。このエリアでは、カーボンニュートラル社会の実現に向けたトヨタの多角的な取り組みが、関連する最新技術や車両とともに紹介される予定だ。
会場内に設けられるH2ビレッジは、レースウィーク期間中の6月10日にオープンを迎える。エリア内では、トタルエナジーズによる700バール仕様の水素充填ステーションが稼働する。水曜と金曜の夜には、プロトタイプへの燃料補給の様子を間近で見学することも可能だ。