フェルスタッペンが告白、リカルドから「車番3」を譲り受けた夜のエピソード

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絶対王者の象徴であるカーナンバー「1」をランド・ノリス(マクラーレン)に譲る形となったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。彼が2026年シーズンに向けて選んだのは、かつての相棒ダニエル・リカルドが愛した「3」だった。

それを可能にしたのは、とある夜のエピソードだった。

「一緒に何杯か飲んだだけ」

2026年の新車「RB22」のローンチイベントのため、デトロイトを訪れていたフェルスタッペンは、地元テレビ局のインタビューで、かつてのチームメイトが使用していた番号をどのように譲り受けたのかを問われた。

「一緒に何杯か飲んだだけだよ。やっぱり、それが一番効くよね」

フェルスタッペンはそう答え、冗談めかした口調でリカルドとのやり取りを振り返った。

シーズンローンチの会場でシミュレーターをドライブするダニエル・リカルド、2026年1月15日(木) レッドブル・レーシング シーズンローンチ(デトロイト)Courtesy Of Red Bull Content Pool

シーズンローンチの会場でシミュレーターをドライブするダニエル・リカルド、2026年1月15日(木) レッドブル・レーシング シーズンローンチ(デトロイト)

レギュレーションでは、カーナンバーは2年間使用されない場合に限り解放される。リカルドは2024年シーズン途中でF1を離れており、2026年時点ではまだ2年が経過していない。このため、今回の変更にはリカルド本人の同意と国際自動車連盟(FIA)への申請が必要だった。

フェルスタッペンの発言からは、今回の変更がリカルドとの個人的な合意を通じて成立したことがうかがえる。

ずっと愛していた「3」という数字

フェルスタッペンにとって、「3」はやむを得ず選んだ番号ではない。昨年末、彼は次のように語っている。

「僕のお気に入りの数字は、1を除けばずっと3だったんだ」

2015年のF1デビュー当時、「3」はすでにリカルドが使用していた。そのためフェルスタッペンは、3を二つ重ねた「33」を選ばざるを得なかった経緯がある。以前使用していた「33」について、フェルスタッペンはこう振り返る。

「『2倍の幸運』だなんて言っていたけど、F1ではもう十分に幸運を手にしたしね」

4度のワールドチャンピオンに輝いたフェルスタッペンにとって、「33」は成功の象徴だった。だが、本来望んでいた「3」を手にする機会が訪れた今、彼は迷うことなくその選択をした。

固定ナンバー制がF1に導入された2014年以降、「3」を背負うのはフェルスタッペンが2人目となる。かつてはリカルドの代名詞だった番号だが、今後はフェルスタッペンの象徴としてグリッドに並ぶ。

ステージ上で2026年リバリーをまとったショーカーを見て笑顔を浮かべるマックス・フェルスタッペン、2026年1月15日(木) レッドブル・レーシング シーズンローンチ(デトロイト)Courtesy Of Red Bull Content Pool

ステージ上で2026年リバリーをまとったショーカーを見て笑顔を浮かべるマックス・フェルスタッペン、2026年1月15日(木) レッドブル・レーシング シーズンローンチ(デトロイト)

レッドブル時代から続く良好な関係

今回の番号変更が成立した背景には、長年にわたり築かれてきた相互のリスペクトがある。

フェルスタッペンとリカルドは、2016年から2018年までレッドブル・レーシングでチームメイトとして戦った。コース上では時に激しく競い合ったが、ヘルメットを脱げば常に良好な関係を保ってきた。

フェルスタッペンは過去にリカルドについて、「本当に自然体で、尊敬できる人物」「作られた感じが一切ない」と評している。リカルドもまた、フェルスタッペンの冷静さと完成度を高く評価してきた。

2024年、リカルドはレーシング・ブルズでのシートを失い、F1を離れた。だが、両者の関係が途切れることはなかった。今回の「3」を巡るやり取りは、その関係が現在も続いていることを示している。

「3」という番号が今後どのような意味を持つかは、フェルスタッペン次第だ。リカルドの代名詞だったこの番号は、新たな時代の象徴として生まれ変わる。それを可能たらしめたのは、2人の友情という見えない絆だった。