マックス・フェルスタッペンとレッドブルによる記録破りの連勝記録は、それぞれ10戦と15戦で終りを迎えた。2023年F1第16戦シンガポールGPでフェルスタッペンは11番グリッドからの5位入賞を果たすのが精一杯だった。

週末の悪い流れはレースデーになっても変わらず、スタートタイヤにハードをチョイスするという他とは異なるリバース戦略を採ったものの、ローガン・サージェント（ウィリアムズ）のクラッシュにより62周のレースの20周という早い段階でセーフティーカー（SC）が導入されてしまった。

更には終盤のバーチャル・セーフティーカー（VSC）のタイミングも悪かった。レッドブル勢はその2～3周までにピットストップを消化したばかりで、この恩恵を活かす事ができなかった。

SCおよびVSCの介入についてフェルスタッペンは「2回のセーフティカーは僕らの味方をしてくれず、その点は少し残念だったけど、第2スティントは楽しめた。ミディアムタイヤではかなりの速さを示せたと思う」と語った。

「今日はイレギュラーな戦略を採ったわけで、僕らに有利に働くことを祈るしかなかった。上手くいかなかったけど、そういう事もあるさ。クルマはレースで少し良くなっていたし、何よりそれが重要だね」

チームおよびドライバー双方のF1史上最長連勝記録が止まったことについては「シーズンで全勝するためには全てが完璧でなきゃならない。この日が来ることは分かっていたし、全く問題ない」と語った。

「誰もが僕らの圧倒的な強さに注目していると思うけど、それがどれだけ難しい事なのかって事には気づいてないように思う」

マリーナベイ市街地コースでのRB19はフェラーリやメルセデス、マクラーレンに太刀打ちできずに競争力を欠いた。持ち込んだアップグレードも期待通りに機能せず、2日目を前に取り外した。

他方、アルファタウリと並び大規模なアップグレード・パッケージを1セット持ち込んだマクラーレンは、これを使うランド・ノリスが2位表彰台に上がり、カルロス・サインツ（フェラーリ）はモンツァとマリーナベイという全く対照的なコースで連続ポールを獲得。後者では優勝を掴み取った。

世界屈指のテクニカルコース、鈴鹿サーキットを舞台とする1週間後の日本GPでもレッドブルはライバルの前に敗れ去るのだろうか。それとも再び、強烈なパフォーマンスを以てフィールドを制圧するのだろうか。

シンガポールでの不振について僚友セルジオ・ペレスは「このサーキット固有の問題だと思う」と語り、フェルスタッペンは「鈴鹿では速いと思う」と述べ、ホンダの母国レースでの目標は優勝だと語った。

2023年F1第16戦シンガポールGP決勝は、カルロス・サインツ（フェラーリ）がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にランド・ノリス（マクラーレン）、3位にルイス・ハミルトン（メルセデス）が続く結果となった。

三重県鈴鹿サーキットを舞台とする次戦日本GPは9月22日(金)のフリー走行1で幕を開ける。

F1シンガポールGP特集