一見すると誰だかよく分からないが、これはニコ・ヒュルケンベルグ（ハース）だ。2週間のオフを経てハンガロリンクに現れた運送屋のせがれの髪は、きれいなブロンズに染め上げられていた。

F1で髪染めと言えば賭け事だ。アレックス・アルボンは昨年のマイアミGPで、入賞したら髪を赤く染めるという賭けに勝ち、その結果、ヨースト・カピート元代表以下、ウィリアムズのチームメンバーは翌スペインGPを前に赤毛にされた。

F1ハンガリーGPの開幕に先立ち、金髪にした理由を問われた35歳のドイツ人ドライバーは照れたような笑いを浮かべながら「髪を染められるのは魅力的だよね」と切り出し、”バービー”人形に触れた。

ハンガリーGPが開幕を迎える7月21日(金)はマーゴット・ロビー主演の実写化映画「バービー」の公開日（日本公開は8月11日）だ。ブロンズヘアーの着せ替え人形は日本において、1980年代から90年代にかけて女の子の間で一大ブームとなった。

ヒュルケンベルグは「賭けで負けたってわけじゃないんだ…ほら、バービーの映画が公開されるでしょ？ ちょっとしたPRになればと思ってね！」と冗談を飛ばした。

「いや、実際にはその事を知らずに染めたんだけど。子供の頃、バービーやケン（バービーのボーイフレンド）で遊んだわけじゃなかったし。まあ、染めたタイミングが悪かったって事だろうね」

ハンガリーではルノー時代のかつての僚友、ダニエル・リカルドがF1復帰を果たす。その事について問われたヒュルケンベルグが「そうだな、、笑顔と歯がたくさんって感じかな！」と答えると、隣りに座っていたジョージ・ラッセル（メルセデス）と周冠宇（アルファロメオ）は爆笑した。

「どうなるのか楽しみだよ。（アルファタウリのマシンは）レースでかなり強力なクルマだろうから、ダニーがそれで何をしてくれるのか興味深いところだね」

「8～9ヶ月ほどレースから遠ざかって少し気分もリフレッシュしているだろうし。僕の経験上、暫くの間、離れるのは悪いことじゃないし、心機一転、準備万端だろうから、どんな走りをしてくれるのか楽しみだよ」

なお今週末については、フロアを含むアップグレードを持ち込んでいるにも関わらず「ここはかなり暑くてタイヤにも厳しいから、間違いなくタフな週末になると思う」とした上で、各ラウンドで装着タイヤが制限されるATA初導入の予選は「多分、僕らにとって不利に働くと思う」と語った。

今週末のハンガロリンクにはチームオーナーのジーン・ハースが来る予定だ。来季以降の契約についてヒュルケンベルグは、チームにとっても自身にとってもこれまでのシーズンは「上手くいっていると思う」として、更新に自信を示した。

F1ハンガリーGP特集