2022年5月29日の第106回インディ500に向けて現地4月20～21日(木)にインディアナポリス・モーター・スピードウェイ（IMS）で行われたオープンテストでジョセフ・ニューガーデン（ペンスキー）が総合トップに立ち、3度目の制覇を目指す佐藤琢磨（デイル・コイン）が2番手につけた。

2度のシリーズチャンピオンは21日に行われた3日目のセッションで229.519mphを記録。前日にスコット・ディクソン（チップ・ガナッシ）が記録したトップスピードを約2.5mph上回った。

「クルマの感触がかなり良い事は否定できない」とニューガーデンは語った。「2歩進んで2歩下がる、あるいはその逆といった感じじゃなく、常に前進しているように感じるし、兎に角、良くなっていっている」

51号車NurtecODTホンダを駆る佐藤琢磨は初日9、10番手と上々のスタートを切り、2日目に229.427mphを記録。2013年のインディ500ウィナー、トニー・カナーン（チップ・ガナッシ）を抑えて2日間トータルでの総合2番手につけた。

5台体制のチップ・ガナッシは3番手のカナーンを筆頭に、ディクソンが4番手、アレックス・パロウが7番手、ジミー・ジョンソンが8番手、マーカス・エリクソンが10番手と、全車がトップ10に入れ込んだ。

対照的にアンドレッティ勢はマルコ・アンドレッティが6番手と上位につけた一方、ロマン・グロージャンが16番手、デブリン・デフランチェスコが19番手、アレキサンダー・ロッシが23番手、そしてコルトン・ハータが29番手と、やや苦しんでいる様子だが、ウィルパワー（チーム・ペンスキー）が「本当の立ち位置は誰もが本気を出す土曜の予選まで分からない」と語る通り、序列を見通す事はまだ難しい。

なお、この日に各車が刻んだトップスピードはすべて、トウの恩恵を受けたものだった。トウなしでのクリーンラップは21号車SONAXシボレーを駆るリーナス・ヴィーケイ（エド・カーペンター）の221.314mphが最速で、スコット・マクラフリン（チーム・ペンスキー）とコナー・デイリー（エド・カーペンター）がこれに続いた。

2日目もにわか雨の影響でセッション開始が4時間30分遅れた。ターン1・2のイン側加速レーンで3度に渡るスピンがあった初日を経て、IMSやファイアストンがブラッシングによる路面状況の改善に取り組み、この日は目立った事故もなく無事に終了した。

3名の500ウィナーが相次いでスピンした原因については調査の結果、ピットレーン出口の路面グリップ量が本コースより25%低い事が明らかにされた。オフシーズン中にレーンに施されたRPEシーラントと呼ばれるシール処理がグリップ不足に繋がった可能性が指摘されている。

なお、初日にスピンを喫してクルマのフロント、右サイド、アンダートレイにダメージを負った4度の500優勝経験を持つエリオ・カストロネベスはこの日、ステアリングを握れず走行時間を失った。

2日間のテストスケジュールはこれで終了となり、チームとドライバーは4月29日から5月1日にかけてアラバマ州バーミンガムのバーバー・モータースポーツ・パークで行われる第4戦に向けて頭を切り替える事になる。

2022年インディ500テスト総合結果