5月29日の2022年第106回インディ500に向け、現地4月20日にインディアナポリス・モーター・スピードウェイ（IMS）でオープンテスト初日セッションが行われ、6度のチャンピオンに輝くスコット・ディクソンがベンチマークを刻んだ。

9号車PNCバンク・チップ・ガナッシ・ホンダを駆るディクソンはトウ有りで227.187mphのベストラップをマーク。コナー・デイリー（エド・カーペンター）とルーキーのカラム・アイロット（フンコス・レーシング）を抑えてトップに立った。

両セッションで共に最速を記録したディクソンは「クルマのフィーリングはとてもいい。トラックポジションやクルマに対する自信、どれだけ大きなトウが得られるかに大きく左右される。今日は運が良かったんだと思う」と語った。

セッションは3回に渡って行われた。冒頭の2時間はベテランドライバーを、その後2時間はルーキーとリフレッシャーを対象として行われ、最後に全ドライバーが参加するオープントラックでの走行が行われた。

3度目のインディ500制覇を目指すデイル・コイン・レーシングの佐藤琢磨は1回目のセッションで9番手、2回目のセッションでも10番手を刻み、上々の滑り出しをみせた。

初のインディ500に臨むベテラン、ロマン・グロージャン（アンドレッティ）とジミー・ジョンソン（チップ・ガナッシ）は昨秋のルーキー・オリエンテーション・プログラム（ROP）に続いてIMSを走り込み、一歩一歩準備を進めていった。

ROPをまだ修了していないカイル・カークウッド、デブリン・デフランセスコ、デビッド・マルカス、クリスチャン・ルンガー、アイロットの5名はこの日行われた3段階のテストのすべてをパスした。再挑戦組としてはマルコ・アンドレッティがリフレッシュテストを終え、2度のインディ500ウィナー、ファン・パブロ・モントーヤとセージ・カラムは2日目にリフレッシュテストを終える見通しだ。

この日は降雨の影響で90分遅れでスタートした。セッション中に3台がスピンを喫した事を受け、ターン1・2のイン側加速レースの検査のためにテストは終了30分前に切り上げられた。気温は10℃台半ばから20℃台前半と涼しく、初日ながらもハイペースが記録された。

スピンを喫した3名は全てインディ500ウィナーだった。

2016年のチャンピオン、アレキサンダー・ロッシはコースオープン直後にスピンを喫した。続いてはインディ500で4度の優勝経験を持つエリオ・カストロネベスが同じ場所でスピン。ターン2でセーフティバリアに衝突した。

幸いにも怪我はなかったが、マシンはフロント、右サイド、フロアに大きなダメージを負った。カストロネベスは「何も違和感はなかったしボトミングもなく、プッシュしていたわけでもない」と首を傾げた。

「兎に角、リアがスピンしてしまってね。クラッシュを避けるべくコントロールしようと頑張ったんだけど、残念ながら避けることはできなかった。本当に異様な感じで、実に奇妙だった」

その僅か21分後には、2018年の勝者ウィル・パワーがターン1のウォームアップレーンでスピン。これを避けようとしたコルトン・ハータがバリアに衝突した。パワーとハータはともに無傷だった。ハータが巻き込まれた一方、マーカス・エリクソンは神回避した。

テスト2日目は現地木曜の10時から16時に渡って行われる。

グリップ不足、RPEシーラントか

インディ500テスト・セッション2結果

インディ500テスト・セッション1結果

インディ500テスト・ROP1結果