フェラーリ、車体は前戦とほぼ同スペックながらも 手応え掴むベッテルとルクレール

雨のハンガロリンクを走行するフェラーリSF1000、2020年F1ハンガリーGPの2回目のフリー走行にてcopyright Ferrari S.p.A.

スクーデリア・フェラーリは第3戦ハンガリーGPに目立ったアップデートを持ち込めておらず、SF1000は先週末のシュタイアーマルクGPの時とほぼ同スペックだが、初日プラクティスを終えたセバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールはポジティブな兆候を感じ取っている。

フェラーリは2戦を終えて僅か19ポイントでコンストラクター5位に留まっている。これは2009年以来の最悪のシーズンスタートだ。跳馬の2人は先週末のオープニングラップで同士討ちを喫し、ファクトリーのスタッフたちが苦労して前倒し投入したエアロアップデートを台無しにしてしまったが、マラネロは素早く対処して先週末と同じスペックのマシンをハンガロリンクに持ち込んだ。

ドライコンディションに恵まれた午前の練習走行ではセバスチャン・ベッテルが6番手、ルクレールが7番手タイムを記録。順調に走行を重ねて新しいパッケージのデータ収集に取り組んだ。

雨脚が強まったFP2では多くのマシンがガレージに籠もる中、跳馬の2台はフルウェットタイヤで積極的に走行を重ねてベッテルがトップタイムを記録。ウエットでのパフォーマンスに苦戦していたオーストリアでの予選を思うと印象的なパフォーマンスだった。

「正直なところ、今日は予想していた以上の出来だった。ここには大量の新しいパーツを持ち込んだわけじゃなく、基本的にはオーストリアで使っていたのとほとんど同じマシンなんだけどね」1日を振り返ったルクレールはポジティブに語った。

クルマが変わっていないのにパフォーマンスが向上している理由は何なのだろうか? ルクレールはハンガロリンクのコース特性を理由に挙げる。

「ここは前回のサーキットに比べて明らかにストレートが少ないからね。オーストリアでは(ストレートが続く)第1セクターではかなり苦戦したけど、ここにはそういった箇所が少ないし、コーナーではかなり速く走れているんだ。まだメルセデスに挑戦できる程ではないけど、徐々に速さが増してきているのが確認できて良かった」

「雨に降られた午後のウエットでは自信を以て走れなかったから、この点に関してはあまり満足していないけど、エクストリームウェットを履いたセブ(ベッテル)が素晴らしい仕事をしていたのを見ているし、そういう意味でもポジティブな材料があったと思う」

「明日がすごく楽しみだよ。フリー走行での良い兆しを予選や決勝で結果として残せれば良いんだけど、僕の方はまだまだやるべき事がたくさんあるから、明日良い位置につけるように頑張るつもりだ」

ルクレールに比べればやや慎重ではあるものの、ベッテルも少なからず手応えを掴んでいるようだ。

「今朝のセッションは問題なかった。実際に予選が始まるまではどうなるか分からないけど、このコースは僕らにとっては少し良いはずだし、明日も同じようになることを願っている」とベッテルは語る。

「ウェットになった午後のセッションでは、ライバルチームよりも多く走り込んだ。(同じく雨になった)先週の予選で弱点が露呈してしまったから、もう少しマシンを理解しなきゃと思ってね。自信を以てマシンをドライブするためには、走り込む事が必要なんだ。まだまだやるべき宿題がたくさんあることは周知の事実だけど、全体的には少しは競争力が増しているように見える」

「明日以降も天候が変わりやすいみたいだけど、今朝のセッションで調子が良かった事を考えれば、オーストリアの時みたいにドライになってくれればまずまずなんじゃないかな。明日が楽しみだよ」

F1ハンガリーグランプリ3回目のフリー走行は日本時間7月18日(土)19時から、公式予選は同22時から1時間に渡ってハンガロリンクで開催される。

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