フェラーリに落ち度なし? フェルスタッペン、ライバル僚友バトルで”楽に先行”…決勝でのチームオーダーの可能性や如何に
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F1オーストリアGPのスプリントはフェラーリ勢が互いに順位争いを繰り広げた事で、ヘルムート・マルコ曰く、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が早々に「楽に」2秒のリードを築く展開となった。僅かながらもチャンピオンシップでのギャップは更に広がった。
3番グリッドのカルロス・サインツは1周目のターン1で僚友シャルル・ルクレールをパス。その後に続くターン3ではフェルスタッペンに仕掛けた。ただ追い抜くには至らず、アウト側に膨らんだ事でチームメイトにポジションを奪われた。
チームメイトバトルはその後も続いた。サインツは6周目のターン3でルクレールのインに飛び込むも失敗。結局、追い抜くことは叶わなかったものの、翌周のターン4でもアウト側から仕掛けた。その間にフェルスタッペンはリードを広げ、3分の1を消化したところで3秒のマージンを築いた。
レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは独Skyとのインタビューの中で「フェラーリは互いに争う事で我々を助けてくれた。おかげで2秒のリードを楽に手に入れることができた」と笑った。
実際のところ1周目にサインツがルクレールに迫ったのは、フェルスタッペンがターン1に向けて取ったディフェンスラインによってルクレールが失速したためで、その先のターン3で再逆転も同様に不可抗力的なものだった。
つまりオープニングラップのバトルはチームメイト間のライバル心によるものでも、フェラーリが意図したものでもなく、結果的になるべくしてなったものだった。
また、既にフェルスタッペンが快適なリードを保っていた事から、その後のバトルが結果に与えた影響も限りなくゼロに近いと言える。ただ同じことをレースでやれば全く異なる結末に繋がる恐れもある。
序盤のサインツとのバトルで失ったタイムについてルクレールは「少し」だと指摘し、仮にバトルがなかったとしても優勝するのは難しかったとの考えを示しつつ、決勝で同じような事をしている余裕はないと強調した。
チームは決勝でチームオーダーを出すべきだと思うかと問われたルクレールは「明日は長いレースになるだろうし、今日と比べてタイヤマネジメントがかなり重要になると思う。つまり、おそらく明日は、今日のようなことをする余裕はないだろう。いや、ないね」と答えた。
また、戦略的決断を下すのはチームの仕事だとして、マッティア・ビノットに聞くべきだと付け加えた。
サインツは、チームオーダーの有無に関わらず、詰まるところスプリントの結果に大差はなかったとの考えを示した。
「あの戦いでは、得るものも失うものも殆どなかったと思う。1ポイント多いか少ないかの話だからね。それにマックスはレース中、常にペースをコントロールしているように見えた。だから、僕らが大きく損をしたわけじゃないんだ」
前戦イギリスGPでフェラーリは、サインツに前を塞がれ序盤にタイムを失っていたルクレールを先行させる事を躊躇するなどして、レース後にチーム戦略の妥当性を問う声が上がった。
2022年F1オーストリアGPスプリントではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にシャルル・ルクレール、3位にカルロス・サインツと、フェラーリ勢が続く結果となった。
決勝レースは日本時間7月10日(日)22時にフォーメーションラップを迎える。1周4326mのレッドブル・リンクを71周する事でチャンピオンシップを争う。