角田裕毅、未経験の高地エルマノス・ロドリゲス「凄く面白そうだけど…」タフな週末を覚悟
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アルファタウリ・ホンダの角田裕毅は高地エルマノス・ロドリゲス・サーキットでの初ドライブを楽しみにする一方、標高が生み出す特殊なコンディションもあって厳しい週末になる事を覚悟しているようだ。
ミック・シューマッハやニキータ・マゼピンを含めて、今季F1ルーキーにとって次なるF1第18戦メキシコGPの舞台、エルマノス・ロドリゲス・サーキットは未経験のコースで、シミュレーターでの走行だけが頼りとなる。
メキシコ、ブラジル、カタールと続く3週連続開催のトリプルヘッダーに先立って角田裕毅は「これから3連戦が始まります。長距離のフライトになりますし、時差ぼけに悩まされる事になるでしょうから、かなりタフなものになると予想しています」と語った。
「それに3コースとも僕にとっては全くの未知のサーキットですし、いずれも本当にトリッキーな感じに見えます。おまけにブラジルGPでは再びスプリント予選が行われるためフリー走行の時間が削られる事になります」
エルマノス・ロドリゲスが新人ドライバーにとって厄介な理由はコースでの走行経験がないという事に留まらない。その特殊なコンディションはF1カレンダーの中でも際立っている。
標高約2285mの高地に位置するため海抜0m地点と比較して22%も空気が薄く、エンジン性能はもとより、空力や冷却を含めてマシン全体のパフォーマンスに大きな影響が表れる。
更に低酸素状態は身体に大きな負荷を及ぼすため、ドライバーは体を慣らすために通常よりも早めに現地入りするのが通例だ。
「これまでこうした状況でドライブした事がないのでメキシコシティの標高が自分にどのような影響を与えるのかかなり興味深いです。ヘルメットを被った状態での首や腕への負担がかなり大変そうに思いますが、一番の影響は心拍に表れるようです」 と角田裕毅は語る。
「僕は普段、心拍に問題はありませんが、メキシコGPに向けて最近はこの点を考慮して持久力に重点を置いたトレーニングに取り組んでいます」
「第1セクターは60~70km/h程度の低速コーナーを含めて90度コーナーが幾つもあり、また標高が高いために空気が薄く、エアロ・ダウンフォースに大きな影響があるとの事で、メキシコのサーキットは通常とはかなり毛色が異なる特殊なコースだと思います」
「これらの要素を総合するとかなり面白い週末になりそうですが、僕個人にとってはさほど容易なものとはならないだろうと思っています」
「僕としては今回もプランに沿って、セッションを通して徐々に改善していくつもりです」
厳しい戦いを予想する角田裕毅だが、前向きな材料もある。前戦アメリカGPでは2戦連続のQ3進出を果たし、決勝では第11戦ハンガリーGP以来、通算6回目の入賞を飾ってチームに貴重なポイントを持ち帰った。
「前戦アメリカGPでは、予選で再びQ3に進出し、決勝でポイントを獲得することができ良い週末になりましたし、週末全体を楽しむことができました」
「フリープラクティスではクルマを改善しつつコースに慣れるなど、非常に忙しい時間を過ごしましたが、一貫して安定したパフォーマンスを発揮できたと思います」
「プラクティスを通してペースがあることは分かっていましたので、予選ではすべてを出し切るだけでした。良いステップになったと思います」
オースティンでは本場のバーベキューが和牛に匹敵する旨さを持つかどうかを確かめる事を楽しみにしていたが、メキシコシティでは和食を心待ちにしているようだ。
角田裕毅は「メキシコにはラテンアメリカ最大の日本人コミュニティがあると聞いていますので、おいしい日本食のレストランにありつけるかもしれません」と付け加えた。
前回大会の2019年のグランプリでは、3番グリッドのルイス・ハミルトン(メルセデス)がセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)を1.7秒引き離して83勝目を飾った。3位表彰台にはバルテリ・ボッタス(メルセデス)が滑り込んだ。
F1メキシコGPは日本時間11月5日(金)26時30分からのフリー走行1で幕を開ける。