マイケル・マシ、F1レースディレクター復帰の可能性が浮上…3名体制を目指すFIA
Published: Updated:
マイケル・マシがF1レースディレクターの職務に復帰する可能性が出てきた。来シーズンの同職についてFIAのモハメド・ベン・スレイエム会長は、少なくとも3名が必要だとして、マシ復職の可能性を除外していない。
昨年12月の最終アブダビGPでマシは、ラップリーダーのルイス・ハミルトンとマックス・フェルスタッペンとの間を走行する周回遅れにのみラップバックを許可した。この結果、ハミルトンは最終周でタイトル争いのライバルに追い抜きを許し、8度目のタイトルを逃す事となった。
FIAはレースから2ヶ月後の今年2月、物議を醸したアブダビの詳細調査を経て、故チャーリー・ホワイティングの後任として3年間に渡ってF1レースディレクターを務めたマシの退任を発表した。
マシの後任にはニールス・ヴィティヒとエドゥアルド・フレイタスの2名が任命され、第5戦マイアミGPまではヴィティヒがレースを裁いた。フレイタスはカタロニア・サーキットで行われる次戦スペインGPで初仕事を迎える。
当初FIAはマシを組織内の新たなポジションに就かせるとしていたが今も公式なアナウンスはなく、F1におけるマシのキャリアは完全に絶たれたかに思われたが、Sportsmailによるとベン・スレイエムは、かのオーストラリア人ディレクターを再び起用する意志がある事を認めた。
「マイケルを追い払ったわけじゃない。彼は仕事量が多すぎたんだ」とベン・スレイエム。
「レースディレクターだけでなくセーフティデリゲートも担っていたからね。彼はミスを犯したが、FIAはマシの終わりを告げたりはしていない」
「私はマイケルのことをあまりよく知らない。レースディレクターを解任したのは世界モータースポーツ評議会の決定だ。マイケル側にヒューマンエラーがあった」
「私は誰も嫌っていないし、彼との間に個人的な問題はない」
「マイケルは今もいるし、彼を使うかもしれない。私は彼を追い出すとは言っていない。我々は全てにオープンだ」
ベン・スレイエムは今もなおレースディレクター体制に課題があると考えている。
「我々のレース構造は組織的に間違っていた。2人の新しいレースディレクターを迎え入れたが、まだ全てが上手くいったとは言えない。積もり積もった汚れを取り除く必要がある」
「スチュワード探しのためにスーパーマーケットに行くことはない。堅実かつ公正で寛容な人材が必要だ」
「例えばマルチタスク能力を備えるラリーのコドライバーを採用してトレーニングすることも考えている。採用活動が必要だ」
「FIAのこの人手不足を解消する必要がある。理想的には来年の初めまでに最低でも3人のレースディレクターを採用したい」
仮にマシが復職した場合、メルセデスがこれを歓迎する事はないだろう。トト・ウォルフ代表は新たなシーズンの開幕を迎えてなお、ドライバーを見下していた等としてマシへの批判を続けている。