圧倒メルセデス、唯一の死角はドライバーの闘争本能「二人ともが勝ちたがっている」F1スペインGP《予選》
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メルセデスAMGペトロナス・モータースポーツは、5月11日のF1スペインGP公式予選でバルテリ・ボッタスがキャリア通算9度目のポールポジションを獲得。ルイス・ハミルトンが2番手につけ、フロントローを独占した。
誰が予想したであろうか。ボッタスとハミルトンとのギャップは0.634秒という驚異的な差であった。その背景の一つには、技術的なアクシデントがあった。Q2の終盤に出た黄旗のせいで、ハミルトンのバッテリーチャージが不足。パワーユニットの出力を最大限に使えない状況で、Q3最初のアタックを強いられた。
フルパワーを使えなかったとは言え、ハミルトンと3番手セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とのギャップは0.232秒。75秒サーキットでのコンマ2秒は小さい差ではない。
アップグレードが投入されたW10は、一発のタイムだけでなく燃料を積んだ状態でのロングランペースも抜群で、レッドブルとフェラーリを1周あたり1秒弱引き離す。付け入るスキはない。カタロニア・サーキットは追い抜きが難しく、過去10年でのデータによれば、フロントローからの優勝確率は75%に達する。
潜在的な問題があるとすれば、ドライバーの飽くなき闘争本能だ。決勝はハミルトンとボッタスの一騎打ちが予想されるため、首脳陣は何よりも同士討ちを懸念している。トト・ウォルフ代表は「ドライバー達はどちらも勝ちたがっている」と語る。
「レースのスタートでは、間違いなく二人のバトルを目撃することになるだろう。私としては公平に戦ってくれると信じている」
メルセデス:F1スペインGP予選を終えて
バルデリ・ボッタス予選: 1位, FP3: 3位
良い気分だよ。予選ではいろいろなポイントで少しずつタイムを縮めて、全てのランで自己ベストを塗り替える事が出来た。Q3では全てをまとめ上げる事が出来たし、最初のアタックでのタイムは本当に良かった。
バルセロナに持ち込んだパッケージは本当に上手く機能していて、特にセクター3の速さが光っている。チームの皆の努力の賜物だ。ブラックリーとブリックスワースにいるみんなに感謝したい。
初日金曜のロングランペースは良かったけど、決勝では何が起きても不思議はない。スタートと、その後のターン1が鍵をにぎるはずだ。僕もルイスも優勝したいと思っている。激しくもフェアな争いを楽しみたい。
ルイス・ハミルトン予選: 2位, FP3: 1位
今日の僕はマシンのポテンシャルを発揮できず、十分な速さがなかった。今週末は終始クルマに手こずっていたから、ペースを上げるためにどうしたら良いかを詳しく分析しなきゃならない。
バルテリにとっては良い予選だったと思う。彼は素晴らしい仕事をしていたし、ポールに相応しい。ロングランペースは良いから、明日もこの調子を維持できると思う。ここはオーバーテイクが難しいから、明日のレースでは今シーズンこれまでのように、堅実なスタートを切ってチャンスをつかみたい。
2019年F1第5戦スペイングランプリ決勝レースは、日本時間5月12日(日)22時10分から行われ、1周4.655kmのカタロニア・サーキットを66周する事で勝敗を決する。