ホンダF1、モナコGPでドライバー重視のPUセッティング「更に戦闘力を上げるべく全力投球」と田辺TD

モンテカルロのバナーを背景にF1モナコGP決勝レースを走るレッドブル・ホンダRB15Courtesy Of Red Bull Content Pool

ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターが、2021年FIA-F1世界選手権第5戦モナコGPに先立って抱負を語った。

「今週末は伝統のモナコGPが開催されます。道幅が狭く低速コーナーの続く市街地コース、またモナコという華やかな地で行われることから、F1カレンダーの中でも特別な雰囲気を持つレースになります」

「残念ながら、昨年は新型コロナウイルスの影響でキャンセルされましたが、今年は無事、ホンダF1が過去に数々の記憶に残るレース結果を残した伝統あるレース開催地に戻ってきました」

ホンダはこれまでにモナコで6勝を挙げているが、これは1987年から1992年にかけての6年連続で達成されたものだ。

1987年はロータスのアイルトン・セナが、1988年はマクラーレンのアラン・プロストが、そして1989年~92年はセナがマクラーレンで4連勝を飾った。更に1987年から1991年までの5年間は、ホンダエンジン搭載車両が全てのラップをリードした。

田辺TDは「ストリートサーキットでドライバーの実力が試されるコースといわれますが、パワーユニットとしてもパワーに加えてドライバーの意思に忠実に反応するドライバビリティーが大変重要となります」と続ける。

「過去のデータや各ドライバーのドライビングスタイルを考慮した上で最適なセッティングを施し、4人のドライバーに実力を発揮してもらいたいと考えています」

「ここまでHonda PUを搭載する2チームはいい戦いを見せていますが、さらに戦闘力を増して戦うために、両チームと全力で準備を進めて臨みます」

4戦を終えて首位ルイス・ハミルトンと14ポイント差のランキング2位に付けるマックス・フェルスタッペンは、現時点で80ポイントを手にキャリア最高のシーズンスタートを切っているが、モナコGPではまだ一度も表彰台に上がった事がない。

モナコデビューを飾った2015年はロマン・グロージャンと接触してリタイヤ。翌2016年に至ってはフリー走行、予選、そして決勝レースの全てでクラッシュを喫した。

2017年は5位フィニッシュと3度目の挑戦にして初めて完走を果たしたが、翌18年はFP3で再びクラッシュを喫して予選出走ならず最後尾スタートからの9位に終わり、前回大会の2019年は4位という結果だった。

それだけに本人も「モナコでミスが許されない事はよーく分かってるよ(笑) とにかくクリーンな週末を過ごすことが大切」と苦笑い。「モナコで僕らが速さを発揮できるかどうかは分からないけど、今シーズンのこれまでの予選ではかなり接近していたから、今回も同じようになって欲しいって思ってる」と付け加えた。

フェルスタッペンは見通しを示さなかったものの、29ポイント差を付けてコンストラクターズランキングをリードするメルセデスのトト・ウォルフ代表は、モンテカルロ市街地コースではレッドブル・ホンダが大きな脅威になると考えている

ホンダは伝統の一戦を終えて1991年以来となるポイントリーダーの座を手にできるだろうか? F1モナコGPは、日本時間5月20日(木)18時30分からのフリー走行1で幕を開ける。

F1モナコGP特集

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