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スクーデリア・フェラーリのハンガリーテスト初日を担当したシャルル・ルクレールは、初めてのSF70Hを巧みに操り、ソフトタイヤでこの日最速となる1分17秒746を記録した。走行を終えたルクレールは、ファステストを記録したことは嬉しいが、テストの最速タイムはあくまでの相対的なものであり、大きな意味はないと言い放つ。
「ファステスト・タイムは良いことだけど、テストにおいてはその重要性は相対的なものでしかないんだ」
先日のハンガリーGP予選で、スーパーソフトタイヤのセバスチャン・ベッテルが記録したポールタイム1分16秒276とのギャップは1.47秒、両タイヤコンパウンドのタイム差が約0.8秒であることを考慮すると、ルクレールとベッテルのタイム差は僅か0.7秒であったと考えられる。
コンディションは異なるが、仮にルクレールがハンガリーGP予選を走っていた場合、これはダニエル・リカルドに次ぐ7番手タイムに相当する。フェラーリ育成ドライバーのルクレールはその才能を遺憾なく発揮し、世界のモータースポーツ関係者の度肝を抜いてみせた。
今回初めて今季F1マシンを操縦したルクレールは、普段乗っているF2マシンとは別物だと語り、マシンやドライビング以外にも多くの事を学んだという。
「普段F2を走ってる僕からすると、SF70Hのドライブは最高に楽しかったよ。まるで別の世界の乗り物だね。幅広タイヤとダウンフォースがアップした今季のF1マシンに乗るのは初めてだったんだけど、素晴らしい感触だったよ」
「ガレージでの作業からも多くの事を学べたよ。フェラーリのエンジニアは世界でもトップレベルだし、彼らと一緒に仕事ができて本当に良かった」
今季F2を圧倒的な強さでリードし、来季のザウバーシートが確実視されつつあるルクレールだが、現時点ではF1はまだ”夢”のままであり、夢の実現のためにはまだ多くのやるべき事がある、と慎重だ。
「F2の後半戦前にハッピーな夏休みを過ごせそうだね。今のところF1は夢に過ぎないよ。まだやるべき事があるし、今回のテストは1つのステップに過ぎないって分かってるさ」
明日2日(水)は、ルクレールに代わってレギュラードライバーのセバスチャン・ベッテルとキミ・ライコネンがフェラーリのテストを担当する。