「STR13のパフォーマンスは頭打ち、エンジンと車体を含めたあらゆる部分に課題」とピエール・ガスリー
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トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーは、現行マシンSTR13のパフォーマンスは頭打ちとなっており、今シーズンはこれ以上為す術がない状況だと考えている。F1サーカスは今週末のアブダビGPを以て全21戦のスケジュールを全て消化する。
伊ファエンツァに拠点を置くスクーデリア・トロロッソは、ダブルポイントを目指し挑んだ第20戦ブラジルGPでブレンドン・ハートレーが11位、ピエール・ガスリーが13位。コンストラクターズ選手権でのアルファロメオ・ザウバーとのギャップは拡大し、予想外のパフォーマンス不足に苦しんだ。
「ストレートがある上り坂の最終セクションが特にそうだけど、ブラジルはパワーセンシティビティがかなり高いサーキットなんだ。それは分かってた事だけど、全体的なパフォーマンスに関してはかなりガッカリしたよ」とガスリー。
「予選ではQ3に進出できて凄く良かったんだけど、決勝レースでのパフォーマンスは悪くて、現時点では解決策がない状況なんだ。あらゆる領域に手を入れなきゃならない」
ガスリーは公式予選でQ3に進出し10番手を獲得。一発の速さはあったものの、71周を競う決勝レースにおいてはマシンは一貫した速さを示す事が出来なかった。ガスリーはホンダのパワー不足がブラジルGPでの不振の原因の一つだと考えているが、それだけでなくマシン側にも大きな問題があると語る。
「ダウンフォースをつけてコーナーでのタイムを向上させて不足分を補おうとしたけど、それでもクルマは横滑りしてしまいデグラデーションが悪化してしまった」
「エンジン面でアドバンテージがある場合は、コーナがあるセクションのタイムを妥協してストレートでギャップを作る事でラップタイムを上げる方法があるわけだけど、そうすると入力が減ってしまう事でタイヤがかなり冷えてしまうんだ」
STR13の決勝レースでの各セクター別のタイムを見てみると、ストレート区間を持つセクター1は全体の15番手、低速区間のセクター2は16番手、事実上の超ロングストレートを持つセクター3では14番手であり、ライバルに対して最も遅れを取っていたのはコーナリングセクションの第二セクターであった。
インテルラゴスでのレースを振り返ったホンダF1の田辺豊治テクニカル・ディレクターは「パッケージとしての速さが不足していた」と述べ、ガスリーと同じ様にエンジンと車体の双方に課題があったとの考えを示している。ホンダが改善すべきトップスピードに関して質問されたガスリーは次のように答えた。
「現時点ではメルセデスとフェラーリが一歩先行していて、ホンダとルノーが少しばかり難しい状況に置かれている」
「ホンダはキャッチアップするためにやるべき事をやっているし、今の時点では僕らに出来る事は何もないよ。僕らも彼らも、自分たちが劣っている箇所を客観的に把握できているしね」
「来年に向けてホンダは色々試行錯誤しながらあらゆる事を試してるから、来シーズンは幾らかパフォーマンス向上が得られるって確信してるよ。でも、数週間や数カ月でギャップを埋め合わせるなんて不可能だから、次のアブダビで向上する事はない。ホンダには時間を与えなきゃならない」