要お祓い…フェルナンド・アロンソ、VSCで好機到来もまさかの2周連続ストップ。その理由は?
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今年のフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)のツキのなさは、もはやお祓いが必要なレベルに達している。2度のF1王者はF1第11戦オーストリアGPの決勝でバーチャル・セーフティーカー(VSC)による決定的なチャンスを得たものの、2周連続のピットストップを余儀なくされ、それを活かし切る事ができなかった。
フロア破損により予選9番手となったアロンソは、電気系統のトラブルに見舞われスプリントを戦えず、予防措置としてエンジン交換を行い最後尾19番グリッドからレースに臨んだ。
DRSトレインに捕まってしまえば前進は望めない。一発逆転のハードタイヤスタートに賭けたアロンソは徹底的に第1・2スティントを引っ張った。そこにチャンスが転がってきた。
残り15周、皮肉にも同胞のカルロス・サインツ(フェラーリ)がエンジンブローによりクルマを停めた事で、待ちに待ったVSCが導入された。アルピーヌはすかさず6番手を走行していたアロンソに”ボックス”の指示を飛ばした。
絶好のチャンスを得たアロンソは、新品のミディアムタイヤに履き替え9番手でコースに戻ったものの、どういう訳かその周の終わりに再びピットに向かい、別のミディアムへと履き替え、14番手にまで後退した。
それでもアロンソはモチベーションを失わず、ランス・ストロール、ピエール・ガスリー、そしてアレックス・アルボンを交わすと、最終ラップでバルテリ・ボッタスを仕留めてギリギリの10位入賞を掴み取った。
Fernando is forced to box twice under the VSC after an issue with the first pitstop.
He’s P14 with 10 laps to go. #AustrianGP 🇦🇹 pic.twitter.com/h9jUoRwUJe
— BWT Alpine F1 Team (@AlpineF1Team) July 10, 2022
ヘルメットを脱いだアロンソは「最後尾スタートだった事を考えれば、例え1ポイントであってもゼロよりはマシだ」として、5位フィニッシュした前戦イギリスGPを除けば「今シーズンの僕のベストレースの1つ」だと評価した。
それにしても一体なぜ、VSC導入下で2周連続のピットストップを余儀なくされたのだろうか? アロンソは次のように説明した。
「6位か7位を争っていた時だと思うけど、VSCの時に2回目のピットストップを行った後、装着したタイヤに奇妙な振動があったんだ」
「まだVSCが続いていたから、もう一度タイヤを交換するためにストップすることにした。残念ながら、この余計なピットストップでポジションを落としてしまった」
「最終的に、このレースでたった1ポイントに終わったのは僕としては少し不満が残るところだけど、今週末のチームとしての全体的なペースとパフォーマンスは満足できるものだった」
チーム代表を務めるオトマー・サフナウアーはこの日のアロンソの走りを「別格」と評価した上で、今後に向けて信頼性の克服とオペレーションの「高い水準での遂行」が必要不可欠だと指摘した。
アルピーヌは決勝前日のスプリント後に、エステバン・オコンもメカニカルトラブルに見舞われた。高圧燃料ポンプの電気系統トラブルが疑われるとして、決勝に向けてパーツを交換。オコンはF1キャリア通算100戦目の節目に5位フィニッシュと健闘した。
今季のアロンソの運の無さは神がかっている。
サウジアラビアではウォーターポンプのトラブルに見舞われ、オーストラリアでは油圧系の問題でクラッシュし、エミリア・ロマーニャでは車体損傷でリタイヤ。また、マイアミではコース外走行でアドバンテージを得たとして入賞を剥奪され、更にカナダでは最前列を掴むもエンジントラブルに見舞われた。
アロンソは今季11戦を終えて計29点のドライバーズランキング10位に留まっているが、本人は信頼性不足や不運によって「60~70ポイント」を失っているとしており、その分を加えるとルイス・ハミルトン(メルセデス)に次ぐ単独の7位という計算だ。
2022年F1第11戦オーストリアGPの決勝レースでは、2番グリッドのシャルル・ルクレールが通算5勝目を上げた。2位はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位表彰台はルイス・ハミルトン(メルセデス)という結果だった。
ポール・リカール・サーキットを舞台とする次戦フランスGPは7月22日のフリー走行1で幕を開ける。