大事故から3年半…ロバート・ウィッケンズ、4時間耐久で悲願レース復帰「この瞬間を何度も夢見てきた!」
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インディカー・シリーズでの2018年の大事故から3年以上の時を経て、ロバート・ウィケンズが遂に悲願のレース復帰を果たす事が決まった。
32歳のカナダ人ドライバーはヒュンダイのエントリーで2022年IMSAミシュラン・パイロット・チャレンジにフル参戦し、1月28日にデイトナで開催される4時間耐久レースでBHAの33号車エラントラ N TCRレースカーをドライブ。実戦にカムバックする。
ウィッケンズは2018年8月の第14戦ポコノでのライアン・ハンター=レイとの上位争いの最中に接触。コース外側へと弾き飛ばされ、鉄製フェンスへと突っ込んだ。弾き返されたマシンは火花とデブリを散らしながら地面へと激しく叩きつけられた。
レースは2時間近くに渡り中断を強いられ、ウィッケンズは地元病院へ緊急搬送された。胸椎骨折、脊髄損傷、頚椎・胸部脊椎・両足脛骨・腓骨・両手、右前腕・肘・肋骨の骨折、脳震盪、肺挫傷を負う非常に大きな事故だった。以来ウィッケンズはレース復帰に向けて懸命のリハビリを続けてきた。
そして昨年5月、半身不随ながらもスロットル及びブレーキを手で操作できるブライアン・ハータ・オートスポーツ製ハンドコントロールを装備したヒュンダイ・ヴェロスターをミッドオハイオでドライブし、復帰に向けた手応えを掴んだ。
「この瞬間を何度も夢見てきたけど、ブライアン・ハータとヒュンダイのサポートによって遂に現実になった」とウィッケンズ。
「ここまでの道のりは長く、紆余曲折の困難なものだった…この旅が決して終わったわけじゃないけど、前に進める事に感謝してる!」
「妻やブライアン、ヒュンダイ、IMSA、そして何よりもファンの皆さんのサポートがなければ実現することはなかった」
「僕がレースに復帰できる事を、僕と同じように皆が信じ、そして幾度となく励ましてくれたおかげで実現したんだ」
「今は事故前よりも勝利に貪欲だ。再び勝ちを目指して頑張りたい」
33号車には特製のハンドコントロールシステムが装着されており、ステアリングだけで操舵とアクセル、シフト、ブレーキ操作が可能となっている。