ベッテル、2戦欠場は「明らかに不利」コロナ療養生活とヒュルケンベルグの健闘、今季の愛車名を語る
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アストンマーチンのセバスチャン・ベッテルが開幕2戦の欠場の原因となったコロナウイルス感染による療養生活と、自身の代役としてAMR22をドライブしたニコ・ヒュルケンベルグの健闘、今季の愛車名の進捗について語った。
15年ぶりの欠場
4度のF1ワールドチャンピオンはバーレーンでの最終プレシーズンテストを終えてPCR検査で陽性が確認された。エントリーリストから外れたのは2007年のヨーロッパGP以来、15年ぶりの事だった。
第3戦オーストラリアGPで約1ヶ月ぶりにパドックに戻ってきたベッテルは、レーシングドライバーとしてではなく傍観者として過ごした過去2レースについて「(テレビで)見ていて奇妙な感じだった」と振り返った。
「少し体調が悪い状態でレースに出たことはこれまでに何度かあったけど、(今回は)無理だと思った。見ていて不思議な感じではあったけど、(欠場が)正しい決断だった事は間違いない」
「でも一方で、傍からどう見えるのかって事が分かって面白かったよ」
代役として見事に仕事をやり遂げたヒュルケンベルグ
ベッテルの代わりにステアリングを握ったスーパーサブ、ヒュルケンベルグはチームから電話を貰って24時間も経たずに2年ぶりのF1マシンに乗り込み、僅か3時間の走行を経て、開幕バーレーン予選でチームメイトのランス・ストロールを0.255秒上回ってみせた。
結果としてはAM22の競争力不足もあり、僚友共々ポイントを獲得する事ができなかったものの、第2戦サウジアラビアGPの決勝でもストロールを上回る12位でフィニッシュする活躍を見せた。
アストンマーチンは開幕2戦でノーポイントに終わった2チームの内の1つであり、ヒュルケンベルグが記録した12位は今季のチームベストとなった。
ベッテルは同郷の友人の走りについて「ニコは本当によくやったと思う。準備が全く整っていないゼロの状態だったにも関わらず、クルマに乗り込みああやって仕事をやってのけたわけだからね」と評価した。
「僕も(オンラインを通して)すべてのミーティングやブリーフィングに参加して、ドライバー達の話をずっと聞いていたんだ。それを何とか活かそうと思ってね」
欠場によるハンデ
ベッテルは現在の体調について「大丈夫。2週間前より明らかに良くなっているしね」と語る一方、2戦の欠場がハンデとなる事は間違いないと認めたが、それを補うだけの豊富な経験がベッテルにはある。
「プレシーズンテストで走っているし、日数的にも去年より多かったわけだけど、レースでのリズムが掴めなかったのも確かで、当然不利ではある。でも大丈夫でしょ。前にもやったことがあるし」とベッテルは語った。
ベッテルにとってのアルバート・パーク・サーキットは、2011年、17年、18年の3回に渡って優勝した思い出の地だが、AMR22のパフォーマンスを踏まえると難しい週末になるのは間違いない。
「僕らが望んでいる位置にいないのは秘密じゃないし、やるべき事は山積みだ。何しろ後方にいるんだから」とベッテル。
「今週末はこれまで以上に学びを深めて、今のクルマが抱えている難しさや問題点に対する理解を更に深めていきたいと思ってる」
「ここは僕が大好きなサーキットだし、シーズンの開幕は例年、ここだったから、ある意味、復帰戦を迎える僕にとっては歓迎すべき事だと思ってる」
未だ決まらぬ愛車名
ベッテルは例年、シーズンの開幕を前にエンジニアやクルーと相談して自身の愛機にニックネームを付けてきた。
この伝統は2008年のトロロッソ時代に始まった。有名所としては2009年のレッドブルRB5に付けた「ケイトの淫らな妹」や、2011年型レッドブルRB7の「変態カイリー」などが挙げられる。
だが今年はコロナ感染のために開幕2戦で欠場を強いられたために、命名の機会を逃す事になった。
ベッテルはまだ今季5号車AMR22の愛称が決まっていない事を認めた上で「名前についてはもう少しペースが改善してから考えたいんだ」と説明した。
「ひょっとするといつもより少し時間がかかるかもしれない」