F1アメリカGP 決勝グリッド︰計15台の並びが変動、タイヤ戦略は2ストッパー優勢? 狙われる角田裕毅とサインツ

サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)とF1アメリカGPの観戦に訪れたファン、2021年10月22日Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

オースティン現地10月24日(日)にサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催される2021年シーズンのF1世界選手権第17戦アメリカGPの公式スターティング・グリッドが国際自動車連盟(FIA)より発表された。

グリッドに関しての注目ポイントは年間上限基数を上回るパワーユニットの投入によって降格ペナルティが科されたバルテリ・ボッタス(メルセデス)、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)、そしてジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)だ。

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全15台の並びが変動

4台の降格ペナルティによってトップ3並びに予選10番手の角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)と11番手のエステバン・オコン(アルピーヌ)の5台を除く計15台の並びが変動した。

信頼性に不安を抱えるメルセデスは週末に先立ち、ワークスとカスタマーの計3台に新たなPUコンポーネントを投じた。

Courtesy Of Daimler AG

サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を周回するメルセデスのバルテリ・ボッタス、2021年10月22日F1アメリカGPフリー走行1にて

ボッタスは今季6基目のICE(内燃エンジン)と4基目のエキゾーストを開封し、5グリッド降格で9番手に後退した。

ベッテルとラッセルは共に4基目のICE、ターボチャージャー、MGU-Hを搭載し、ベッテルは5基目、ラッセルは4基目のエキゾーストの封を切った。アストンマーチンにとっては2ヶ月待ちでようやく手に入れた4基目のエンジンだった

またFP3に先立ってはアロンソが4基目のICEを含むフルコンポーネントを交換した。

これら3名は最後尾後退となり、予選最上位のベッテルが18番グリッド、オコンを牽引したアロンソが19番グリッド、そしてラッセルが最後尾20番グリッドとなった。

なおベッテルは合わせてギアボックスを新調しているが、6戦連続使用義務を満たしていたため、これに関しては降格の対象外だった。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

2021年10月23日のF1アメリカGP予選を1-3で終え、肩を並べて写真撮影に応じるレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレス

ポールポジションはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。その隣にはルイス・ハミルトンがが並び、2列目にはセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続く。

なおフェルスタッペンは過去7回のポールポジションから5度の優勝を果たしているが、残りの2回(シルバーストンとモンツァ)はハミルトンとのクラッシュに見舞われている。

ハミルトンはオープニングラップのターン1を勝機と見ており、1周目のスタート直後は大注目だ。

タイヤ戦略は2ストッパー優勢

例年より暑いコンディションとなった今回のアメリカGPでは、特にリアのオーバーヒートが懸念材料で、荒い路面のCOTAは摩耗的にも厳しいため、レースではミディアムとハードを中心とした2ストッパーが最適な戦略と考えられる。

トップ10組の内、不利が予想されるソフトタイヤでスタートするのは10番手の角田裕毅と5番手のカルロス・サインツだ。

角田裕毅のすぐ後ろ、11番手のオコンはQ3進出の可能性を捨ててまでミディアムでのスタートにこだわった。また、6・7番グリッドのダニエル・リカルドとランド・ノリスはサインツに照準を合わせており、ソフト勢はライバルから狙われる立場にある。

Courtesy Of Formula1 Data

AT02の中で汗をかくアルファタウリ・ホンダの角田裕毅、2021年10月22日F1アメリカGP初日フリー走行にて

トップ10組の大部分がミディアムを選んだ理由について、ヘッド・オブ・カーレーシングとしてピレリF1の現場を統括するマリオ・イゾラは「戦略に柔軟性を持たせる」利点があると説明した。

ピレリが予想する最速のストラテジーはソフトまたはミディアムで1スティント、ハードで2スティントを走る2ストップ戦略だ。

ソフトは摩耗とデグラデーションが厳しいため、1ストップ戦略を採る場合はミディアムとハードを使う他にない。だがピットストップのタイムロスは比較的小さくオーバーテイクも容易であるため、1ストッパーのアドバンテージはないに等しい。

2021年 F1アメリカグランプリ決勝レースは、日本時間10月25日(月)4時にスタート。1周5516mのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を56周する事でチャンピオンシップを争う。

2021年F1アメリカGP 決勝グリッド

Pos No Driver Team Qualifying
1 33 M.フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1(-)
2 44 L.ハミルトン メルセデス 2(-)
3 11 S.ペレス レッドブル・ホンダ 3(-)
4 16 C.ルクレール フェラーリ 5(+1)
5 55 C.サインツ フェラーリ 6(+1)
6 3 D.リカルド マクラーレン・メルセデス 7(+1)
7 4 L.ノリス マクラーレン・メルセデス 8(+1)
8 10 P.ガスリー アルファタウリ・ホンダ 9(+1)
9 77 V.ボッタス メルセデス 4(-5)
10 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 10(-)
11 31 E.オコン アルピーヌ・ルノー 11(-)
12 99 A.ジョビナッツィ アルファロメオ・フェラーリ 13(+1)
13 18 L.ストロール アストンマーチン・メルセデス 16(+3)
14 6 N.ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 17(+3)
15 7 K.ライコネン アルファロメオ・フェラーリ 18(+3)
16 47 M.シューマッハ ハース・フェラーリ 19(+3)
17 9 N.マゼピン ハース・フェラーリ 20(+3)
18 5 S.ベッテル アストンマーチン・メルセデス 12(-6)
19 14 F.アロンソ アルピーヌ・ルノー 14(-5)
20 63 G.ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 15(-5)

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