セルジオ・ペレス、スピン大転落経て振動DNF…決勝は”逆襲狙い”のピットレーンスタートか
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レッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスは5番グリッドから17日(土)のF1イギリスGPスプリント予選に挑んだものの、6周目に超高速のチャペルでダウンフォースを失いスピンを喫して18番手にまで転落。ファイナルラップでリタイヤした。
バリアへの接触は避けられたものの、タイヤにフラットスポットを作ってしまった事で徐々にヴァイブレーションが悪化。17周を走り切る事はできなかった。
失意の予選レースを終えたペレスはSky Sportsとのインタビューの中で次のように述べ、チームへの謝罪の言葉を口にした。
「チームには本当に申し訳ないと思っている。本当に本当に酷い一日だった。それでも明日はまた別の日だし、気持ちを切り替えて臨みたいと思ってる」
31歳のベテランにとっては慣れ親しんだ従来の予選方式の方が好みだったようで「新しいフォーマットは好きじゃないな」と率直な意見を述べた。
チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーはスピンの原因と最終周でのリタイヤの理由を次のように説明した。
「単にダーティーエアーの影響でリアを失ったのだと思う。(車体に)大きな問題はなかったが、酷いフラットスポットができてしまった。タイヤをロックアップさせた時にスモークが出ていたしね」
「幸いな事にどこにも当たっていないが、バイブレーションがかなり酷かったのでリタイアさせる事にした。これによって明日に向けて十分にチェックする時間が取れる」
既に予選が終わっているためクルマはパルクフェルメ下にある。
スプリント予選の週末は特例としてブレーキディスクやキャリパー、排気系、エンジンオイルフィルター、エアフィルター、スパークプラグの交換が認められており、また事前のセッションで使用済のスペックであれば、異なる仕様でも罰則なしに交換する事ができる。
ただそれ以外は通常と変わらず、空力やサスペンション等のセッティングを変更すれば問答無用のピットレーンスタートとなる。
クリスチャン・ホーナーは「クルマの安全性を確認しなくてはならないから許可を得る必要がある」と述べ、国際自動車連盟(FIA)に作業申請を出す考えを示したが、既に最後尾スタートは確定しており、パルクフェルメ違反を犯してピットレーンスタートを選び、クルマのセットアップを全面的に変更するのも一つの手だ。
独auto motor und sportがレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコからの情報として伝えたところによると、決勝での巻き返しのためにレッドブルは11号車RB16Bをオーバーテイク仕様に変更すべく、パルクフェルメを破る計画があるという。
逆転のポールポジションはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。2番手はルイス・ハミルトン(メルセデス)。3番手はバルテリ・ボッタス(メルセデス)という結果となった。
2021年F1イギリスGP決勝レースは日本時間18日(日)23時にブラックアウトを迎え、1周5891mのコースを52周する事で争われる。