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キミ・ライコネンは今週末に控えるモナコGPで、ルーベンス・バリチェロやミハエル・シューマッハ、フェルナンド・アロンソやジェンソン・バトンらに続くキャリア通算300戦目を迎える。
アイスマンの愛称と、率直な物言いで世界中のファンから愛されるフィンランド人ドライバーは、2001年のオーストラリアGPでザウバーからF1デビュー。ガレージ内で昼寝をしていたため危うく寝過ごすところであったが、見事6位入賞と鮮烈な初戦を飾った。
その後ライコネンは21のレースで優勝し、表彰台に103回上がった。18回のポールポジションを記録し、2007年にはフェラーリで世界タイトルを獲得した。とは言え、19年間の全てをF1に捧げたわけではない。
2009年のシーズン後、フェラーリはフェルナンド・アロンソを迎え入れるためにライコネンから契約から買い取った。その後の二年間に渡り、ライコネンはラリーやNASCARなど様々なモータースポーツに興じ、2012年にロータスでF1にカムバックした。
デビューから20年が経とうとする今、ライコネンは世界チャンピオンでありつつも、ミントゥーの夫となり、ロビンとリアーナという二児の父親となった。
ライコネンにとって300戦目という数字は何の意味も持たない。これを記念する特別なヘルメットデザインや、感傷に浸るようなコメントが期待できるわけもない。ライコネンは人々を笑顔にするためにF1にいるのではない。ただ、自分が望むこと、レースを戦うためだけにグリッドに付くのだ。
「みんなが僕の300戦目のレースについて話をしているけど、僕が興味を持っているのはコース上でのパフォーマンスだけだ」とライコネン。この男は期待を裏切らない。
「(キャリアを振り返って)それほど長くは感じられないかな。いくつか良いレースがあったし、何度か良いリザルトに恵まれたけど、詰まるところレースをしていただけさ」
ライコネンは”300″というマイルストーンを気にしていないどころか、それを祝おうとするチームに対して止めるように呼びかけているようだ。
「すべてをキャンセルさせようとしたんだけど、今のところあまり上手くいっていない。先週や次のレースと何も変わらない。結局はただの数字に過ぎない。確かに一番最初のレースとは違うけど、その後はあまり変わらない」
ライコネンのF1通算300戦目を祝うアルファロメオのプレスリリース
「上手くいっている時はより楽しめるし、そうでない時はそれほど楽しくはないかもしれないけど、ドライビングそのものが変わる事は殆どない。確かにクルマは色々と変わったけどね。ドライビングに関しては変わってないと思う」
ライコネンは昨年、古巣ザウバー、現アルファロメオ・レーシングと2年契約を締結。少なくとも2020年末まではF1にとどまる事が決定している。残りのレース全てに出場することになれば、バリチェロが記録した通算326戦を上回る事となり、また一つ歴史に名を刻む事になる。