メルセデス、英国GPでのオーバーヒートを懸念…”典型的なブリティッシュ・ウェザー”を望む
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メルセデスAMGのトト・ウォルフ代表は、冷却性能に関する問題が表面化しないように、シルバーストンで開催されるF1イギリスGPが「典型的なブリティッシュ・ウェザー」に恵まれる事を心底望んでいる。
シルバーアローの今季型マシン「W10」は、空力効率を追い求めるためにパッケージを限界までタイトにまとめているため、マシンの冷却に大きな課題を抱えている。気温35℃を超す暑いコンディションとなった前戦オーストリアでは、ボティーワークを限界まで開口しながらもオーバーヒートに苦しみ、決勝ではエンジンを守るために保守的なモードでの走行を強いられた。
目下ファクトリーでは問題修正のための努力が続けられているが、今週末のイギリスGPでもこれを完全に解決するためのソリューションは実装されない模様で、仮にレッドブル・リンクと同様に暑い気候となった場合、再び同じエンジン出力を落としての厳しい戦いを強いられる可能性がある。
「典型的なブリティッシュウェザーとなる事を心底願っている」とトト・ウォルフ。英国は通年雨が多く、気紛れで移ろいやすい天候が特徴だ。「そうすれば、問題解決に向けて少しでも時間稼ぎが出来るからね」
「とは言え、今後来るべきホッケンハイムやブダペストでのレースに向けて、何としても問題を解決しなくてはならなず、他に選択肢はない」
週末のシルバーストンは晴れの予報となっているものの上空を雲が覆い、最高気温は概ね21℃程度に留まるものとみられている。そのため、オーバーヒートが発生する可能性は低く、メルセデスが息を吹き返す可能性は高い。
だが、昨年のグランプリではフェラーリ製パワーユニットが力を発揮し、セバスチャン・ベッテルがシルバーストンでの2勝目をマーク。メルセデスの5年連続優勝記録に終止符を打っただけに、楽な戦いとはならないかもしれない。だが、トト・ウォルフは、シルバーストンのレイアウトはメルセデスの強みを活かせるものだと確信している。
「パワーユニットのデプロイメントが、高速コーナーで多くのゲインをもたらす事はないだろうから、シルバーストンはより我々の好みであるはずだ」とトト・ウォルフ。「ポール・リカールの時ほどではないにしろ、この前のオーストリアよりは遥かに良いはずだ」