アロンソの怒りと”報復”?を買ったローソン、F1アメリカGPスプリントで口論に
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トップ8にのみポイントが与えられるF1アメリカGPスプリントの僅か19周のレースでの15番手争いの最中の一件を巡り、リアム・ローソン(RBフォーミュラ1)とフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)との間に火花が散った。
ローソンは1周目からアグレッシブに攻め立てた。ターン11でイン側に飛び込みアロンソを完全にコース外に押し出すと、続くロングストレートで僅かに蛇行。アロンソは回避行動を強いられた。5周目にも同様のシーンがあった。
ターン12でもコース外に追いやられる格好となったアロンソは、無線を通してRBの旧チーム名を叫び、「アルファタウリのアイツは、なんて馬鹿なやつなんだ」と不満をあらわにした。レース後のパルクフェルメには、2人が口論する様子があった。
スプリントから数時間を経てアロンソは、予選Q1の開始時にピットレーンから出た際、ローソンの後方で左右に揺さぶりをかけ、ターン1に向かう坂で追い越した。
英AUTOSPORTによるとローソンは、「僕に嫌がらせをすると言っていたし、彼はその言葉を守ったんだと思う」と語った。
「彼はかなり怒っていた。理由は分からない。僕らは16番手争いをしていただけだし、どうしてあんなに怒っていたのかサッパリだ。まあ、しょうがない。彼が落ち着いてくれることを願って、前に進もうと思う」
ローソンはさらに、「彼のレースはかなり酷かったから、苛立つ気持ちは理解できるけど、もし僕のドライブに何か問題があったなら、ペナルティを科されたはずだ」と付け加えた。
今週末がF1キャリア通算400戦目のエントリーとなるアロンソをライバル視していたのか?と問われた6戦目のローソンは、「ライバル関係にあるとは思わない。単にレース中にインシデントがあっただけで、それを乗り越えて前進するだけだ」と返した。
レースディレクターのニールス・ヴィティヒはローソンの動きを問題視せず、スチュワードに報告しなかった。
ローソンのディフェンスについてアロンソは、現在のチームメイトであるランス・ストロールと衝突した2022年のアメリカGPを思い出させるものだったと説明した。
「ストレートでは、ほとんどクラッシュしかけた。2年前にランスと時速300kmでやった時のようにね。それに、コーナーを立ち上がる時に僕をコース外に押し出した。1周目のターン11でだ」
「大げさに取り上げたくはないけど、ターン16や17でアクセルを緩めてもペナルティが科されなかったことに何より驚いた」
「どちらかのクルマがアクセルを緩める限り、事故は起きない。今日は僕がそうしたということだ」
「コース上では誰もが自分のやり方で走る。僕にとって今日の出来事は不必要なものだった。色んな意見があることは分かっているし、それで構わない。 24レースもあるわけで、どこかでまた出会うことになるだろう」
ローソンは今後僅か6週間の成績次第でキャリアの命運が決まりかねない状況に置かれている。一方ではシートを失う可能性があり、またもう一方では、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のチームメイトとして来季レッドブルの契約を掴み取る可能性もある。
アロンソは母国スペインの報道陣に対し、今季残り6戦で結果を残さなければF1キャリアが終わりを迎える可能性があることが、アグレッシブな走りに繋がったのだろうとの考えを示した。
「あれはやり過ぎだろう。リアムは残り6レースで自分の価値を証明しなければならないが、あれは最良の方法とは思えない。とは言え、キャリアが懸かっているのは彼であって、僕じゃない」
2024年F1アメリカGP予選では、ランド・ノリス(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手はカルロス・サインツ(フェラーリ)という結果となった。
決勝レースは日本時間10月20日(日)28時にフォーメーションラップが開始され、1周5,516mのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を56周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。