レッドブル・ホンダ、次戦イギリスGPは期待できる?「改善までに長くはかからない」とホーナー
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エアロダイナミクスに不可解な課題点を抱えるレッドブル・ホンダ。ポールポジションと優勝が期待された第3戦ハンガリーGPでは、メカニックの懸命の努力に応えるべくマックス・フェルスタッペンが見事な走りで2位表彰台を獲得したものの、プラクティスでは一度もトップ5に食い込めなかった。
予選も7番手と13番手と苦しんだ。レッドブル・ホンダのハンガロリンクでの予選ラップタイムは、昨季比で1.9%という大幅なダウンだった。これは、FIA技術指令書による規約違反の穴埋めのためにエンジン性能が大幅に低下したと見られるフェラーリ以上に大きな減少だった。ミルトンキーンズの強豪チームは昨季よりも一歩後退していた。
クリスチャン・ホーナー代表はSky F1とのインタビューの中で、8月2日に決勝を迎える次戦F1イギリスGPまでの2週間の間に、何としてもパフォーマンスを改善するべく作業に取り組んでいると説明した。
「(予選時と比較して)決勝レースではマシンの状態が良くなっていたと考えているが、幾つかの問題を抱えている。我々は挙動に問題を抱えているマシンに対して何点かのアップデートを持ち込み、解析のための大量のデータを収集した」
「我々はそれを分析して理解することで、シルバーストンに間に合うように、2週間でそれをパフォーマンスに反映させなければならない」
「サーキットの中においては、我々が強いところもあればメルセデスと比べてタイムを大きく失っている箇所もある。決勝ではそれが圧縮されてしまうが、我々はもっと良い仕事をしなければならない」
第4戦イギリスGPからカタロニアでの第6戦スペインGPまでは、再び3連戦の強行スケジュールとなる。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で短期決戦が強いられる状況の中、レッドブル・ホンダはいつ反撃の狼煙を上げるのだろうか?
今シーズン中にメルセデスに挑戦できるかと尋ねられたホーナーは、RB16のベース性能は高いとして、必ずや巻き返せるはずだと力説した。
「ラップタイムを見てもらえば分かると思うが、バルセロナで行われたプレシーズンテストでのクルマの挙動は本当に素晴らしく良かった」とホーナー。
「先週末のオーストリアでは幾つか問題を抱えたが、ハンガロリンクではそれが非常に顕著に表れた。ここは我々が伝統的に非常に得意としているコースだった」
「我々は大量のデータとインフォーメーションを手に入れており、今はこれを利用してマシンのアップデートや調整に取り組んでいる」
「(改善まで)さほど長くはかからないと思う。我々のクルマのベースは非常に優れているし、私は状況を好転できると確信している」
レッドブル・ホンダが苦戦続きのレースを強いられる一方で、ダブルタイトル7連覇に向けて邁進するメルセデスはシーズン開幕3連勝を達成。レッドブルに対して66ポイントのリードを築いてコンストラクターズランキングでトップをひた走っている。
トト・ウォルフ代表は今シーズンの「W11」について「我々は過去に、より難しいマシンで選手権を戦ったが、そんなディーバでさえ我々にチャンピオンシップをもたらしてくれた。その点で言えば、このマシンは”幸せな場所”にあるように見える」と述べ、かなりの手応えを得ている様子を伺わせるが、相手が相手だけに決して気を緩めるつもりはないようだ。
「(レッドブルのマシンは)悪いレースカーだとは思っていない。確かに、常にスイートスポットに入っているわけではないようだが、マシンは問題ないように見える。対峙すれば、彼らが立派な競争相手であり敵であることが分かると思う」
「ポイント的に言えば、我々は3戦で3勝を上げているが、ギャップは30ポイント(ランキングトップのルイス・ハミルトンと3位のフェルスタッペンとの差)だ。そんな差はないに等しい。1回のDNFと、彼の1勝によってその差は消えてしまうのだ。我々はただプッシュし続けるだけだ」
ハンガロリンクで2位フィニッシュしたフェルスタッペンは、メルセデスを打ち負かす事は「非常に難しい」と認めるものの、クルマが抱えている問題の特定まではあと一歩に迫っており、一旦問題点がクリアになりさえすれば、チームが即座に対処するはずだと固く信じている。
「ちろん彼らを倒すのは非常に難しいと思うけど、今はどこが間違っているのかを理解して、それを修正し、そこから学んで再びコースに戻ってくる事が重要なんだと思う」とフェルスタッペン。
「正しい方向に向かって踏み出しさえできれば、彼らはすぐにでも大量のアップデートをもたらしてくれる。だからまずは、マシンのどこに重大な問題があるのかを理解しなきゃならない」
「問題の特定はもうすぐだ」