F1オーストラリア:鬼門”ターン6”を改修、2024年の大事故を受け
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FIA(国際自動車連盟)とF1オーストラリアGPの主催者は、2024年大会で発生した2件の大クラッシュを受け、メルボルンのアルバートパーク・サーキットにおいて、安全対策としてコース改修を実施することを決定した。
クラッシュの経緯と問題点
2024年のF1オーストラリアGPでは、アレックス・アルボンがフリー走行中にターン6で大クラッシュを喫した。同様の事故は2023年にも同じ場所で発生しており、コーナー出口の縁石をわずかに踏み外したことでマシンが突然不安定になったことが原因だった。
また、決勝ではジョージ・ラッセルが同じくターン6でフェルナンド・アロンソの予想外のブレーキングに対応できず、バリアに衝突した後にコース上へ跳ね返される危険な状況が発生した。
問題のターン6は、2022年のコース改修によりプロファイルが変更されたセクションであり、「先の見えないブラインドエントリー」と「高速コーナー」という特性を持つ。そのため、ドライバーたちは以前から安全性に対する懸念を示していた。
FIAの安全対策と改修内容
FIAは安全部門の専門家、ドライバー、チームの意見を取り入れ、複数の対策を検討した結果、以下の改修を実施することを決定した。
- ターン6/7のバリア位置の変更:衝突後に車両がコースへ跳ね返るリスクを軽減するため、左側のバリアの角度と位置を調整
- ネガティブ縁石の導入:クルマが縁石に乗り上げて不安定になるリスクを低減するため、ターン6・7の縁石を、通常とは異なり路面より低く設定された「ネガティブ縁石」に変更
- グラベルトラップの拡張:オフコース時の減速効果を高めるべく、ターン6の出口付近のグラベルトラップを拡張
FIAは今回の変更について、「コーナーのダイナミクスとエキサイティングなレースを維持しつつ、安全性を向上させることを目的としている」と説明した。
この改修により、アルバートパーク・サーキットは今後のF1開催に向けてより安全なレイアウトとなることが期待される。