”厳しい週末”での角田裕毅の奮闘を称えるRBメキーズ、2台のレース戦略を説明するバレストリ

上海インターナショナル・サーキットのターン14で僚友ダニエル・リカルドをリードする角田裕毅(RBフォーミュラ1)、2024年4月21日(日) F1中国GP決勝レースCourtesy Of Red Bull Content Pool

RBフォーミュラ1のローラン・メキーズ代表は、「厳しい週末」を過ごしながらも懸命に仕事に取り組み、決勝レースのオープニングラップで3台抜きを披露するなど奮闘した角田裕毅を称えた。

中団トップとしての立場を固めて臨んだF1第5戦中国GPはファエンツァのチームにとって悪夢のような結末を迎えた。

角田裕毅はケビン・マグヌッセン(ハース)に右リアを引っ掛けられ、ダニエル・リカルドはポイント圏内を見据えていたものの、ランス・ストロール(アストンマーチン)に追突され各々リタイヤと、チームはチェッカーフラッグを迎える前に撤収の準備を強いられる事となった。

copyright FORMULA 1

角田裕毅(RBフォーミュラ1)と接触したケビン・マグヌッセン(ハース)のオンボード映像キャプチャ、2024年4月21日F1中国GP

メキーズはこの日を「失望の日曜日」を表現し、リタイヤの原因となった2つのインシデントについて「ドライバー達にはどうする事もできなかった」と振り返った。

「辛いことだが、受け入れて前に進むしかない。ただ、週末の出だしで躓いたにも関わらず、10位争いに加われるだけのペースを取り戻すために皆が一生懸命、頑張ってくれたのは前向きな点だ」

「ダニエルは週末全体を通して力強い走りを見せてくれた。特に今日はセーフティーカーが出るまでルイスとポジションを争っていた」

「ユーキの方はもっと厳しい週末だった。スプリントが採用される週末のコースでの走行経験がないという厳しい状況だったが、彼は懸命に戦い続け、今日はポジションを大きく上げる良いレースを見せてくれた」

「ダニエルとユーキ、そしてファエンツァとビスターのチーム全員とともに週末を分析し、またも超接戦が予想されるマイアミでより力強く戻ってきたい」

「次はもう少しフラストレーションが少ないレースになる事を願っている!」

予想通りこの日のレースは大部分がミディアムコンパウンドをスタートタイヤに選んだが、角田裕毅はルイス・ハミルトン(メルセデス)、ランス・ストロール(アストンマーチン)、ローガン・サージェント(ウィリアムズ)と並びソフトを履いてグリッドに着いた。

レース戦略について車両パフォーマンス部門のチーフエンジニアを務めるクラウディオ・バレストリは「ダニエルにはミディアム、ユーキにはソフトを履かせるという異なる戦略で2台をスタートさせた」と説明した。

「1周目を終えた時点で、ダニエルはポジションを落として15番手、ユーキはポジションを上げて16番手につけた」

「ポイント圏内がかなり遠かったため、新品ミディアムを履かせて他をアンダーカットすべくユーキを早めにピットインさせることにした。一方でダニエルは最初のスティントをもう少し長くこなし、14周目にピットインさせた」

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2024年4月21日のF1第5戦中国GP決勝レースにおけるドライバー別タイヤ戦略

「全てのコンパウンドのデグラデーションが予想以上に激しかったが、ボッタスがコース上で停止したことでバーチャル・セーフティーカーが出され、その後にフル・セーフティカーが導入された」

「ユーキを含め、そのまま最後まで走行すべくほぼ全車がハードタイヤに履き替えるためにピットインした。ただ残念なことに、再スタートの直前にストロールがダニエルのリアに衝突して彼のクルマに酷いダメージを与え、再スタート直後にはマグヌッセンがユーキにぶつかり、彼の右リアタイヤにダメージを与えた」

「結局、両車ともレースを完走することはなかった。今日は我々の日ではなかったが、次のポイント争いに向けてマイアミでのレースに焦点を切り替えたい」


2024年F1第5戦中国GPではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にランド・ノリス(マクラーレン)、3位にセルジオ・ペレス(レッドブル)が続く結果となった。

マイアミ・インターナショナル・オートドロームを舞台とする次戦マイアミGPは現地5月3日のフリー走行1で幕を開ける。

F1中国GP特集

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了