”厳しい週末”での角田裕毅の奮闘を称えるRBメキーズ、2台のレース戦略を説明するバレストリ
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RBフォーミュラ1のローラン・メキーズ代表は、「厳しい週末」を過ごしながらも懸命に仕事に取り組み、決勝レースのオープニングラップで3台抜きを披露するなど奮闘した角田裕毅を称えた。
中団トップとしての立場を固めて臨んだF1第5戦中国GPはファエンツァのチームにとって悪夢のような結末を迎えた。
角田裕毅はケビン・マグヌッセン(ハース)に右リアを引っ掛けられ、ダニエル・リカルドはポイント圏内を見据えていたものの、ランス・ストロール(アストンマーチン)に追突され各々リタイヤと、チームはチェッカーフラッグを迎える前に撤収の準備を強いられる事となった。
メキーズはこの日を「失望の日曜日」を表現し、リタイヤの原因となった2つのインシデントについて「ドライバー達にはどうする事もできなかった」と振り返った。
「辛いことだが、受け入れて前に進むしかない。ただ、週末の出だしで躓いたにも関わらず、10位争いに加われるだけのペースを取り戻すために皆が一生懸命、頑張ってくれたのは前向きな点だ」
「ダニエルは週末全体を通して力強い走りを見せてくれた。特に今日はセーフティーカーが出るまでルイスとポジションを争っていた」
「ユーキの方はもっと厳しい週末だった。スプリントが採用される週末のコースでの走行経験がないという厳しい状況だったが、彼は懸命に戦い続け、今日はポジションを大きく上げる良いレースを見せてくれた」
「ダニエルとユーキ、そしてファエンツァとビスターのチーム全員とともに週末を分析し、またも超接戦が予想されるマイアミでより力強く戻ってきたい」
「次はもう少しフラストレーションが少ないレースになる事を願っている!」
予想通りこの日のレースは大部分がミディアムコンパウンドをスタートタイヤに選んだが、角田裕毅はルイス・ハミルトン(メルセデス)、ランス・ストロール(アストンマーチン)、ローガン・サージェント(ウィリアムズ)と並びソフトを履いてグリッドに着いた。
レース戦略について車両パフォーマンス部門のチーフエンジニアを務めるクラウディオ・バレストリは「ダニエルにはミディアム、ユーキにはソフトを履かせるという異なる戦略で2台をスタートさせた」と説明した。
「1周目を終えた時点で、ダニエルはポジションを落として15番手、ユーキはポジションを上げて16番手につけた」
「ポイント圏内がかなり遠かったため、新品ミディアムを履かせて他をアンダーカットすべくユーキを早めにピットインさせることにした。一方でダニエルは最初のスティントをもう少し長くこなし、14周目にピットインさせた」
「全てのコンパウンドのデグラデーションが予想以上に激しかったが、ボッタスがコース上で停止したことでバーチャル・セーフティーカーが出され、その後にフル・セーフティカーが導入された」
「ユーキを含め、そのまま最後まで走行すべくほぼ全車がハードタイヤに履き替えるためにピットインした。ただ残念なことに、再スタートの直前にストロールがダニエルのリアに衝突して彼のクルマに酷いダメージを与え、再スタート直後にはマグヌッセンがユーキにぶつかり、彼の右リアタイヤにダメージを与えた」
「結局、両車ともレースを完走することはなかった。今日は我々の日ではなかったが、次のポイント争いに向けてマイアミでのレースに焦点を切り替えたい」
2024年F1第5戦中国GPではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にランド・ノリス(マクラーレン)、3位にセルジオ・ペレス(レッドブル)が続く結果となった。
マイアミ・インターナショナル・オートドロームを舞台とする次戦マイアミGPは現地5月3日のフリー走行1で幕を開ける。