F1カナダGP決勝グリッドとタイヤ戦略考︰後方に変動、スタートはミディアム主流か

ジル・ビルヌーブ・サーキットのターン10を走行するアルファロメオの周冠宇、2022年6月17日F1カナダGPCourtesy Of Alfa Romeo Racing

6月19日(日)の日本時間27時よりジル・ビルヌーブ・サーキットで開催されるF1第9戦カナダGPの公式スターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動および決勝のタイヤ戦略を見ていこう。

今週末は計8台が何らかのパワーユニットのコンポーネントを交換し、その内の2名、シャルル・ルクレール(フェラーリ)と角田裕毅(アルファタウリ)が最後尾スタートを命じられた。予選順位が上のルクレールが19番グリッドに着く。

ギアボックスに関しては、ケース及びカセット、駆動部品・ギアチェンジ・補助部品を新たに開封したものはおらず、罰則対象となるドライバーはいなかった。参照:F1レギュレーション解説「ギアボックス編」

予選ではルクレールとカルロス・サインツ、そしてアレックス・アルボンの3名が不必要に低速で走行したとして審議されたが、いずれもお咎めなしの裁定が下された。

周冠宇に関してはターン9でのコースオフからの復帰に際して指定された手順を守らなかったとして、キャリア初の戒告処分(ドライビング)が下された。よって降格は先の2名のみだ。

トップ14の並びに変更はない。ルクレールの降格によって後方の並びが変わり、ピエール・ガスリーが15番手、セバスチャン・ベッテルが16番手、ランス・ストロールが17番手、ニコラス・ラティフィが18番手にそれぞれ昇格した。

想定されるタイヤ戦略

フルウェットとなった土曜とは異なり、日曜の現地モントリオールは晴れる見通しで、気温も20℃前後近くにまで上がる予報だ。

雨によって路面のラバーが洗い流されている事から、出だしのグリップレベルは低く、路面温度も比較的低いことから、序盤は特にグレイニングに注意が必要かもしれない。

主流は1ストッパーか

70周で争われるカナダGPは例年、基本的に1ストップレースとなる。その傾向は18インチが導入された本大会も変わらない見通しで、ピレリはミディアム、ハードと繋ぐ1ストップ戦略がベストだと説明している。

ミディアムとソフトはデグラデーションがほぼ同程度で、ミディアムはピットストップのウインドウ(交換タイミングの幅)が広く、よりドライバビリティが高いため、スタートタイヤとしてソフトよりも柔軟性に勝る。

ソフトからハードへの1ストップ戦略も有効だが、ミディアムよりも若干早めにストップしなければならない。セーフティーカーが導入されるか否かは未知数であるものの、可能な限り選択の幅を確保しておくに越したことはない。

ミディアムスタートの場合は第1スティントを22~28周程度としてハードに履き替える事になる。ソフトの場合は15~20周程度が予想される。

本来あるべきポジションより大幅に後方からスタートするルクレールや13番手のセルジオ・ペレスらにとっては、ハードスタートも現実的なオプションとなり得る。

2ストッパーの可能性

2ストッパーは理論的に、1ストッパーよりも若干遅くなるが、ピット入口が最終シケイン前に、そしてピット出口がターン1の先に設けられているジル・ビルヌーブ・サーキットはピットストップによるロスタイムが小さく、状況次第では回数を増やしてフレッシュタイヤの可能性に賭けるのも一手だ。

例えば終盤にSCが導入されるような状況になれば、余計に1回多くのピットストップを行いソフトタイヤに履き替えるのも手だろう。ここはオーバーテイクが可能なサーキットであるため、他の開催地ほどコースポジションは重要視されない。

2022年F1カナダGP 決勝グリッド

70周で争われるF1カナダGPの決勝レースは現地15時、日本時間27時にフォーメーションラップが開始される。日本ではDAZNフジテレビNEXTで生放送・ライブ配信される。

Pos No Driver Team Qualifying
1 1 M.フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1(-)
2 14 F.アロンソ アルピーヌ・ルノー 2(-)
3 55 C.サインツ フェラーリ 3(-)
4 44 L.ハミルトン メルセデス 4(-)
5 20 K.マグヌッセン ハース・フェラーリ 5(-)
6 47 M.シューマッハ ハース・フェラーリ 6(-)
7 31 E.オコン アルピーヌ・ルノー 7(-)
8 63 G.ラッセル メルセデス 8(-)
9 3 D.リカルド マクラーレン・メルセデス 9(-)
10 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 10(-)
11 77 V.ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 11(-)
12 23 A.アルボン ウィリアムズ・メルセデス 12(-)
13 11 S.ペレス レッドブル・RBPT 13(-)
14 4 L.ノリス マクラーレン・メルセデス 14(-)
15 10 P.ガスリー アルファタウリ・RBPT 16(+1)
16 5 S.ベッテル アストンマーチン・メルセデス 17(+1)
17 18 L.ストロール アストンマーチン・メルセデス 18(+1)
18 6 N.ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 19(+1)
19 16 C.ルクレール フェラーリ 15(-4)
20 22 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 20(-)

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