僅か数ミリ!角田裕毅との接触を覚悟「コードブラウン」の瞬間を明かすヒュルケンベルグ

11位でフィニッシュしたレースを終えてインタビューに応えるニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)、2024年6月9日(日) F1カナダGP決勝(ジル・ビルヌーブ・サーキット)copyright FORMULA 1

スピンを喫した角田裕毅(RBフォーミュラ1)との接触を間一髪で避けたニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)は、その恐怖の瞬間を「コード・ブラウン」と表現した。

70周で争われた2024 F1第9戦カナダGPの66周目、9番手を走行していた角田裕毅がターン9でコース外に飛び出し、濡れた芝生の上でコントロールを喪失。スピンしながらコースへと滑り戻っていった。

角田裕毅のVCARBが進行方向に対して逆に向きになった所でヒュルケンベルグがその脇を通過。奇跡的に接触は避けられ事故には至らず、幸いにもけが人が出る事はなかった。

9位フィニッシュのピエール・ガスリー(アルピーヌ)まで僅か0.803秒差の11位でチェッカーを受けたヒュルケンベルグは、角田裕毅が目の前でコースを横切るのを見た時、頭に何がよぎった?との問いに対し、長く息を吐いた後、「うーん、あれはねぇ…コード・ブラウンって感じかな!」と笑った。

「よく覚えてないけど、兎に角、反応して、どうにかして彼を避けようとしたんだ。ほんの数ミリの差だったと思う。あれは本当にギリギリだった」

「とっさに両目をつぶって、衝撃に備えていたんだけどね。幸いにも何とか逃れる事ができたよ」

ヒュルケンベルグは大クラッシュに繋がりかねない危険なインシデントに対して度々、好んで「コード・ブラウン」の表現を使ってきた。

「コード・ブラウン」は病院内や店内など、公の場で関係者のみが理解できる用語として使われており、その意味は国や地域によってもマチマチだが、一般的には緊急事態や恐ろしい状況を指す俗語で、便失禁の意味で使われることもある。

Courtesy Of Haas

F1カナダGP決勝レース序盤に角田裕毅(RB)と並走するニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)-2024年6月9日ジル・ビルヌーブ・サーキットjpg

ハース勢はスタートで唯一、インターミディエイトではなくフルウェットタイヤを選択した。17番グリッドからスタートしたヒュルケンベルグは8周目に8番手にまでポジションを上げた。

「最初の10周はかなり良かったと思うけど、その後、路面が乾いてきたらスッカリ、元に戻ってしまった。でも、まあ、しょうがない。そういうリスクがあるのは承知の上だったからね」とヒュルケンベルグは語る。

「それでも、少なくともミスは犯さなかったし、クリーンなレースだったと思う。サージェントの事故で導入されたセーフティカーのタイミングは少し運が悪かったかもしれない。あれでチャンスを逃した気がする」

「スリックタイヤに履き替えるタイミングを少し遅らせた判断も正しかったと思う。あの時のセクター1は(インター勢にとって)コースからはみ出ずに走るのがかなり難しかったからね。あそこで幾つかポジションを上げる事ができた」

「でもその後は、隊列の中でただ走っているだけだった。ダウンフォースを高めにしていたからストレートではカモにされるし、DRSも使えないし、かなりスピードが落ちた」


2024年F1第9戦カナダGPでは、2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季6勝目を上げた。2位はランド・ノリス(マクラーレン)、3位表彰台にはジョージ・ラッセル(メルセデス)が滑り込んだ。

カタロニア・サーキットを舞台とする次戦スペインGPは6月21日のフリー走行1で幕を開ける。

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