アロンソが参戦する「インディ500」ってどんなレース?F1との比較で解説してみるcopyright IMS

アロンソが参戦する「インディ500」ってどんなレース?F1との比較で解説してみる

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4月12日にマクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソがインディ500への電撃参戦を発表した。インディ500の決勝はF1モナコGPとブッキングする5月28日。アロンソはモナコGPではなくインディ500でのレースを選んだ。

インディ500への参戦を発表したアロンソとマクラーレン・ホンダ
©McLarenF1

「世界三大レースを全部制覇するのが僕の夢」と語るアロンソ。二度のF1ワールドチャンピオンがモナコGPを蹴ってまで参戦するインディ500とは一体どんなレースなのだろうか?

101年の伝統を持つインディ500

indy500
©IMS

「インディアナポリス500マイルレース」通称インディ500は、アメリカのインディアナ州で開催される自動車レース。初めて開催されたのは1911年、なんと2017年の今年で101回目の開催となる歴史あるレースなのだ。1929年に初開催となったモナコGPよりも長い歴史を持つ。現在のインディ500は、佐藤琢磨が参戦している「インディカー」シリーズの中の1戦として開催されている。

インディ500は世界三大レースの1つとされており、世界で最も伝統ある自動車レースの中のひとつに数えられている。

レース名 シリーズ 初開催
インディ500 インディカー・シリーズ 1911年
ル・マン24時間レース FIA 世界耐久選手権(WEC) 1923年
モナコGP F1世界選手権 1929年

一つの場所で開催され続けているレースとしては、世界で最も長い歴史を誇るのがインディ500なのだ。なお、インディ500の賞金総額は15億円以上と言われており、優勝者は3億円近い大金を手にすることになる。ザ・アメリカン・ドリーム。

舞台はオーバル、最高速度は380km/h

インディアナポリス・モーター・スピードウェイの空撮写真
creativeCommonsbiverson 楕円形のオーバルコース

インディ500の会場となるのはオーバルコースのインディアナポリス・モーター・スピードウェイ。シケインやら複合コーナーやらがあるF1のサーキットとは正反対の、楕円状のサーキット。1周2.5マイル(4.023km)のコースを200周、つまり500マイル(804.672km)を走行するためインディ500と呼ばれている。

平均速度は予選で約362km/h、決勝で約354km/h、最高速度は380km/hにも達する。インディ500はオーバルコースなので単純に比較することはできないが、高速サーキットと言われるモンツァ(イタリアGP)の予選の平均速度が約240km/hであることを考えると、如何にインディ500が速いかがよく分かる。

F1日本GPの5倍の観客動員数

観客動員数は、決勝日だけで30万人を超えると言われている。何しろ常設の観客席だけで25万人分あるという。さらに、仮設の観客席まで含めると40万人を超えるというから驚きだ。ちなみに東京ドームは収容人数は5万5000人。2016年のF1日本GPの決勝の観客数は7万2000人と発表されており、インディ500はF1日本GPの5倍以上の規模を誇るイベントとなっている。

F1とはまるで違うレース形式

インディ500でのレース風景
creativeCommonsMike Miley

インディ500では、F1とはまるで異なるレース形式が採用されている。F1と比較する形でその概要を見ていこう。

7日間もの練習走行

F1の場合、金曜の練習走行、土曜の予選、日曜の決勝と、3日間に渡ってイベントが行われるが、インディ500の場合は2週間以上に渡ってイベントが開催される。オーバルコースは周りを全てコンクリートの壁で囲まれており、決勝の平均時速は350km/h超にもなる。1つ間違うだけで大きな事故につながってしまうため、7日間にも渡る練習走行が行われる。

レースウィークの初日と2日目には、インディ500を初めて走行するドライバーに対するオリエンテーションが行われる。これは、インディ500に初めて参加するドライバーが出場に値する能力を有しているかどうかの適正審査のために行われる。

現役最強と呼ばれ、2度のF1チャンピオンであるアロンソであってもオリエンテーションは必須。審査にパスできなければアロンソと言えどもインディ500には出場できない。F1で3度の世界チャンピオンに輝いたネルソン・ピケでさえ、初挑戦の時にはこの審査を受けている。

平均速度を競う2日間の予選

インディ500の予選は非常に複雑なことで知られている。年によって異なる部分があるため、ここではその概略だけを簡単に紹介する。

F1の場合には「1周の最速タイム」を競うが、インディ500では「4周の平均速度」を競う。また、F1とは異なり予選を勝ち抜かなければ決勝には進めない。決勝に進めるのは33台のみ。まずは、ポールデーと呼ばれる予選初日に、各マシンが3回ずつ走行を行いその平均速度を争う。上位30名のドライバーはここで予選通過が確定する(この時スターティンググリッドは決定しない)。バンプデーと呼ばれる予選2日目に、ポールデーの敗退組が残りの3台の枠をかけて平均速度を争い、予選1日目に予選通過を果たした30台が、スターティング・グリッドを決める争いを行う。

シャンパンファイトならぬ、ではなくミルクファイト?

ミルクを飲み干す2014年のインディ500勝者ハンター・レイ
©indianapolismotorspeedway.com 2014年のインディ500勝者ハンター・レイ

F1では、表彰台を獲得したドライバーがシャンパンファイトを行うが、インディ500の場合には勝者が牛乳を飲むのが慣例となっている。1933年にインディ500を制したルイス・メイヤーが、レース終了後に牛乳をリクエストしてその場で飲んだのが始まりと言われる。牛乳製造会社がこれに目をつけスポンサーとなったのだ。インディ500では優勝して牛乳を飲むとスポンサーからの賞金がもらえる。


アロンソのインディ500参戦は、生粋のアロンソファンにとっては喜ばしいものだろうが、F1ファン並びにマクラーレン・ホンダファンの諸兄にとっては複雑なところもあるだろう。アロンソはモナコGPとインディ500のダブル参戦は果たせないものの、我々ファンはそのいずれも視聴することができる。2017年のインディ500のテレビ放映については、2017年インディ500のテレビ放送予定 – F1モナコGPからの梯子視聴が可能!をご覧いただきたい。