モナコで優勝したセバスチャン・ベッテル
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F1モナコGP《決勝》結果とダイジェスト / ベッテル逆転優勝!バトンを含む全7台がリタイヤ

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5月28日(日)に行われた第6戦F1モナコGPで、セバスチャン・ベッテルが2001年以来のモナコ優勝をフェラーリにもたらした。1回目のピットストップでポールのキミ・ライコネンの前に出たベッテルは終始レースをリード、圧倒的な強さを見せつけての勝利となった。

復帰後初優勝が期待されたライコネンであったが、チームの戦略ミスもあり2番手という結果に終わってしまった。3番手には5番グリッドスタートのレッドブルのダニエル・リカルドが続いた。マクラーレン・ホンダの2台はマシントラブルとは無縁の原因によってともにリタイヤ。モナコで一度もチェッカーフラッグを受けたことないマックス・フェルスタッペンは5番手完走を果たした。

12番グリッドスタートのルイス・ハミルトンは、ドライバーズラインキングにおける痛手を最小限に抑える7位入賞、予選3番手のバルテリ・ボッタスは順位をひとつ落とし4位に、ハースの2台が8位と10位に入りダブル入賞を果たした。リタイヤは全7台、完走13台とモナコらしい荒れたレースとなった。

2017年F1モナコGP決勝順位
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インディアナポリスからの贈り物

ジェンソン・バトン
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レース開始直前、フロア交換のためにピットレーンでスタートを待っていたジェンソン・バトン(マクラーレン・ホンダ)に思わぬ旧友からの無線が飛ぶ。「僕の声が聞きたかったんだろ?分かってるって!幸運を祈ってるよ。僕のマシンよろしくね!」無線の主はインディ500決勝レースを直前に控えたフェルナンド・アロンソであった。サプライズメッセージに対してバトンは「君のコックピットでおしっこしとくよ!」と返した。

ブラックアウト後、全20台は一切の接触なくオープニングラップを終えた。1周目にタイヤを替えたのはバトンとパスカル・ウェーレイン(ザウバー)。ポールスタートのライコネンは2番手ベッテルを一気に引き離す。17周目、ギアボックストラブルでマシンから白煙をあげたニコ・ヒュルケンベルグがリタイヤ。セクター2にイエローフラッグが出された。

勝負を決めたピットストップ

40周目にライコネンの前に出たベッテル
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上位勢で最初にピットに入ったのは、4位走行中のフェルスタッペン。33周目にスーパーソフトタイヤに履き替える。これを見た3位ボッタスが反応、アンダーカット潰しに動いた。これを契機に各車続々ピットイン。フェラーリ勢の中で最初にピット入ったのはライコネン、ベッテルはステイアウトしてオーバーカットを狙う。4周ほど最速を連発したベッテルが5周目にピットイン、40周目に見事ライコネンの前に出た。

通常ここモナコでレースリーダーが先にピット・インすることはあり得ない。タイヤ交換を終えてコースに戻ったライコネンはトラフィックに捕まりタイムをロス、ピットストップのタイミングが明暗を分けた。

穏やかだったレースに荒波が

ポルティエでクラッシュしたウェーレインとバトン
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モナコらしからぬノーアクシデントのレースが続いていた60周目、そうは問屋が卸さなかった。最後尾を走るバトンがポルティエ手前でウェーレインイン側に飛び込んだ。飛び込みに気づかなかったウェーレインはそのままターンイン、バトンのマシンがウェーレインのマシンを突き上げる形となり、ウェーレインのマシンが横転しセーフティカーが出動した。両ドライバーはここでレース終了となった。

セーフティーカーの先導が続く65周目、隊列を整列させるためにセーフティーカーを抜かそうとしたマーカス・エリクソン(ザウバー)が、サン・デボーテ=1コーナーでガードレースに突っ込んだ。これでリタイヤしたマシンは計4台目。

突如止まらないリタイヤの連鎖

ラスカスでクラシュしたセルジオ・ペレス
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リスタートした67周目、エリクソン同様今度はポイント圏内の10位を走行していたストフェル・バンドーン(マクラーレン・ホンダ)が、サン・デボーテのガードレースに突っ込んだ。これでマクラーレン・ホンダはダブルリタイヤ。

72周目、ラスカスでダニール・クビアト(トロ・ロッソ)のイン側に無理やり飛び込んだセルジオ・ペレス(フォース・インディア)がクラッシュ、クビアトがレースを終える。いつぞやの小林可夢偉に突っ込んだジュール・ビアンキを思い起こさせるシーンであった。74周、ランス・ストロール(ウィリアムズ)がガレージ・インしリタイヤ。結局チェッカーフラッグを受けたのは13台のみとなった。

2017年F1第6戦モナコGP決勝リザルト

Pos No Driver Team Laps Time Pts
1 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 78 1:44:44.340 0
2 7 キミ・ライコネン フェラーリ 78 +3.145 0
3 3 ダニエル・リカルド レッドブル・タグホイヤー 78 +3.745 0
4 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 78 +5.517 0
5 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・タグホイヤー 78 +6.199 0
6 55 カルロス・サインツ トロロッソ 78 +12.038 0
7 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 78 +15.801 0
8 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 78 +18.150 0
9 19 フェリペ・マッサ ウィリアムズ・メルセデス 78 +19.445 0
10 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 78 +21.443 0
11 30 ジョリオン・パーマー ルノー 78 +22.737 0
12 31 エステバン・オコン フォースインディア・メルセデス 78 +23.725 0
13 11 セルジオ・ペレス フォースインディア・メルセデス 78 +39.089 0
14 26 ダニール・クビアト トロロッソ 71 DNF 0
15 18 ランス・ストロール ウィリアムズ・メルセデス 71 DNF 0
NC 2 ストフェル・バンドーン マクラーレン・ホンダ 66 DNF 0
NC 9 マーカス・エリクソン ザウバー・フェラーリ 63 DNF 0
NC 22 ジェンソン・バトン マクラーレン・ホンダ 57 DNF 0
NC 94 パスカル・ウェーレイン ザウバー・フェラーリ 57 DNF 0
NC 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー 15 DNF 0

コンディション

天気晴れ
気温25℃
路面温度52℃
周回数78

セッション概要

グランプリ名 F1モナコGP
レース種別 決勝
レース開始日時

サーキット

名称 モンテカルロ市街地コース
設立 1929年
全長 3340m
コーナー数 18
周回方向 時計回り

F1モナコGP特集