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アンダーカット

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アンダーカットとは、ピットストップでのタイヤ交換を利用することで、前を走るマシンを抜き去り順位をあげるテクニックのこと。ピットストップ前は、すり減ってパフォーマンスの落ちた古いタイヤを履いているわけだが、タイヤ交換後はパフォーマンスの落ちていない新しいタイヤを履くことになる。この古いタイヤと新しいタイヤとのパフォーマンスの差を利用しオーバーテイクする。

アンダーカットの仕組み

具体例で説明しよう。”佐藤琢磨”と”川井一仁”という架空のドライバーがレースをしているとする。川井一仁は佐藤琢磨の2秒前を走っており両者ともに10周目のラップを走行中である。

10周目の終わりに、佐藤琢磨はタイヤを替えるためピットに入り、川井一仁はピットに入らずそのまま周回を続ける。ピットアウト後、佐藤琢磨は新しいタイヤを使ってとても速いラップタイムでピットから出た最初の周(アウトラップ)を走行する。川井一仁は古いタイヤで遅いラップタイムを刻んでからピットに入ることになる。佐藤琢磨がピットに入ったその1周後、つまり11周目の終わりに川井一仁がタイヤ交換のためピットイン。交換作業を終えピットから出てくるとき、佐藤琢磨はわずかながら川井一仁より前で1コーナーに進入して、追い抜きに成功する。これがアンダーカットだ。

川井一仁は遅いタイヤで1周分余計に走行してしまったがために、ピットアウトした時に佐藤琢磨に抜かれてしまった、というわけである。

アンダーカット戦略が生まれた理由

2010年以前、つまりピレリ以前のF1においてはアンダーカットなるものは存在しなかった。なぜならばピレリ以前のブリジストンタイヤは走行摩耗による性能劣化が極限にまで抑えられていたため、新しいタイヤに交換したとしてもラップタイムが早くなることがなかったからだ。ピレリのワンメイクになったことによって「ショーとしてのタイヤ」が求められることになり、意図的に性能が劣化するように設計されたタイヤが導入されたのだ。これによって初めてアンダーカット戦略が可能となったわけである。