2位フェルスタッペン、前方は遠く後方は遥か彼方「ひたすら羊の数を数えていた(笑」

2020年F1イギリスGPの表彰台でシャンパンファイトを楽しむレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンcopyright Red Bull Content Pool

レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは8月2日(日)に行われたF1第4戦イギリスGP決勝を終えて、レースは終始、非常に孤独な展開だったとして、あまりにも暇でやる事がなかったため「ひたすら羊の数を数えていた」と冗談を飛ばした。

優勝を飾ったルイス・ハミルトン(メルセデス)の後方5.856秒の位置でチェッカーフラッグを受けたとは言え、これはハミルトンがファイナルラップで左フロントをパンクしたためであり、レース中は概ね15秒程度も離されていた。

メルセデスの背中は遠く、フェルスタッペンに課せられた使命は、トラブルなくクルマをガレージに持ち帰って3位を確定させることであったが、後方とのギャップは30秒近くと遥か彼方で、接近戦を楽しむようなシーンは一切なく、90分間のレースの大部分は単独走行だった。

「1周あたりメルセデスから0.4~0.5秒離されていたけど、逆に後方のマシンに対しては1秒速いペースだったから、レース自体はかなり孤独だった」とフェルスタッペン。

「エンジニアに無線で、水分補給を忘れないように!って冗談を言う位だったしね(笑)。それ以外の時はひたすら羊の数を数えていたよ!」

残り4周という最終盤に、2番手を走行していたバルテリ・ボッタスの左フロントがパンクした事で、ピットはフェルスタッペンにボックスを指示。後続との広大なマージンを活かしてピットストップを行い、フレッシュタイヤでファステストラップを狙う作戦に打って出た。

目論見通り、フェルスタッペンは1分27秒097のファステストラップを刻み、チャンピオンシップにおける1点のボーナスポイントを得たが、ハミルトンがパンクに見舞われた事で、ステイアウトしていれば訪れた優勝のチャンスを逃す格好となった。だが、フェルスタッペンはチームの判断は正しかったと考えている。

「勝利の可能性があっただけに、ソフトタイヤに履き替えるためにピットインすべきではなかったのでは、という疑問を皆が持つのは分かる」とフェルスタッペンは語る。

「後知恵であれこれ言うのは簡単だけど、僕は全く後悔していない。ファステストラップを狙ってピットストップを行ったのは正しい決断だったと信じている」

「僕にもパンクの可能性があったし、近年のF1でこうした事(ハミルトンもパンクに見舞われた事)が起こるのは本当に稀だから、そもそも予測する事も難しいしね」

「結局のところ、今日のメルセデスは僕らよりも速かったわけで、勝利に値するのは彼らだった。ルイスの事をラッキーだったという意見もあるけど、実際のところ首位を走っている最中にパンクするのはアンラッキーとも言えるし、それはボッタスにも当てはまる。3位が精一杯と思っていたレースでの2位には満足だし、十分ポイントも稼げた」

クリスチャン・ホーナー代表は、第2スティントでフェルスタッペンが履いていたハードタイヤに深い溝と裂傷があった事を明かし、最終盤のピットストップの目的はファステストラップだけでなくリスクヘッジにもあったと説明している。

シルバーストンでの第1レースはメルセデスの圧勝と評価できるが、来週末に迫る第2レースも同じようにシルバーアローが速さを見せつけるのだろうか? フェルスタッペンは、来週持ち込まれるコンパウンドが今回よりも1段柔らかいC2~C4である事に触れて、同じような展開にはならないとの考えを示した。

「来週のレースは、戦略を左右するタイヤ選択が異なるから、今週とはかなり違った展開になると思う。メルセデスとのギャップについては現実的に直視しているけど、今日と同じように攻める手を緩めるつもりはない」

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