バルテリ・ボッタス、意地のポールも「自分自身にちょっと失望」一方で努力を重ねる僚友ラッセルを高く評価

2020年F1サクヒールGP予選を終えてP1ボードの前にマシンを止めるメルセデスのバルテリ・ボッタスcopyright Daimler AG

メルセデスのバルテリ・ボッタスは12月6日(土)のF1サクヒールGP公式予選で今季5度目、バーレーンでの通算2度目のポールポジションを獲得したものの、自らのドライビングに「少し失望した」と胸の内を吐露した。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染したルイス・ハミルトンに代わり、第16戦で急きょ代役を務める事となったジョージ・ラッセルは、初日2回のセッションでボッタスを抑えてトップタイムを連取するなど、印象的な走りを見せていた。

メルセデス首脳陣は否定するものの、立場と状況を考えれば予選でのラッセルに対する敗北は今後のキャリアに大きな影を落とす事は間違いなく、その意味で土曜のボッタスの走りに大きな関心が注がれたわけだが、メルセデスでの4年目を迎えた31歳のフィンランド人ドライバーは肝心な局面で底力を発揮し、53秒377のF1史上最速ポールタイムを打ち立ててP1ボードの前に77号車W11を停めた。

とは言え、ラッセルもまた実に見事な走りでボッタスに1000分の26秒と迫る2番手タイムをマーク。予選を振り返ったボッタスは、ポールポジションを獲得したにも関わらず自身への失望を隠そうとはしなかった。

「ポールが取れたのは素晴らしいことだし満足なんだけど、ベストだったかと言われればそうとは言えない」とボッタスは語る。

「Q2の2回目のアタックはまずまずだったけど、ターン7とターン8、それにターン10からの脱出は完璧とは言えなかった。ここはツイスティなセクション(セクター2)があって、全てを上手くまとめ上げるのが難しかった」

予選3番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が指摘する通り、ボッタスは最終アタックの際に前走車のスリップストリームの恩恵を受ける事が出来ず、それによってストレート区間でのスピードが伸びなかった事が最も大きなロスに繋がったと説明した。

色々と思うところはあるだろうが、結果的に見れば初日を超えるパフォーマンスであり、堅実にラッセルを抑えた格好だ。

「昨日は個人的にはかなり苦戦していたから、それを踏まえれば今日は遥かに良い1日だった」とボッタス。

「クルマの完成度が上がってドライブしやすくなっていたから、3回目のプラクティスではラップ毎に調子を上げていく事が出来たし、予選では良いフィーリングを以て走ることができた。ただ、最後の最後にタイムを改善できなかったから、自分自身に少し失望してるんだ」

ボッタスは自身の出来に不満を示す一方で、「ジョージが上位に付けた事に驚いてはいない。彼は週末を通して本当に頑張っていたし、予選に入ってなお改善していた。本当に素晴らしい仕事をしたと言わざるを得ないよ」と語り、ラッセルを持ち上げた。

決勝でボッタスは、隣に並ぶラッセルと共にミディアムコンパウンドを履いてスタートする。他方、3番グリッドに付くフェルスタッペンはソフトを履く。ボッタスはスタートタイヤとしてはミディアムが最適解だと考えている。

「明日は戦略的に有利と思われるミディアムタイヤでスタートする。ソフトを履くマックスはスタートではアドバンテージがあるけど、レース全体を考えた時には僕らのタイヤの方が適しているはずだ」


2020年 F1サクヒールグランプリ決勝レースは、日本時間12月7日(日)2時10分にスタート。1周3,543mのバーレーン・インターナショナル・サーキットのアウタートラックを87周する事でチャンピオンシップを争う。

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