レッドブル、2024年F1コンストラクターズ選手権に見切り…847日間に渡る長期支配に幕
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F1の勢力図が今まさに塗り替えられようとしている。レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコはF1アゼルバイジャンGPを経て、2024年シーズンのコンストラクターズ選手権に見切りをつけたと認めた。
847日間に渡るレッドブルの長期支配が遂に終わりを迎えた。バクー市街地コースで行われた第17戦では、オスカー・ピアストリが今季2勝目を挙げ、ランド・ノリスが15番グリッドから4位入賞したことで、マクラーレンが2014年の開幕戦以来、10年ぶりにコンストラクターズ選手権の首位に立った。
グランドエフェクトカー時代の覇者、レッドブルは、2022年のスペインGPから2024年のイタリアGPまで、55戦連続でコンストラクターズ選手権をリードしてきた。首位の座を明け渡したことは一度もなかった。
だが、2023年シーズン途中のアップグレードを境に開発の方向性を見誤り、今季は開幕10戦で7勝を挙げたものの、以降は優勝から見放され、アゼルバイジャンGPを終えて20ポイント遅れの2位に転落した。
シーズンはまだ7戦が残っており、逆転の可能性は十分にあるが、レッドブルはあまり希望を抱いていないようだ。
バクーでのレースを経て、コンストラクターズ選手権を既に諦めたか?との質問に対してマルコは、「正直言って、そうだ」と答えた。かつての常勝チームが最終戦を待たずに事実上の降伏を宣言するなど、プレシーズンの段階で一体、誰が予想し得ただろうか。
一方で、マックス・フェルスタッペンのドライバーズタイトル4連覇に関しては諦めていない。
それは、ノリスに対するフェルスタッペンのリードがまだ59ポイントあり、また、現在抱えているクルマのバランスに関する問題の解決策としてのアップグレードが、2戦後のアメリカGPで計画されているから、というだけではない。
マクラーレンはアゼルバイジャンGPを前に、タイトル争いという観点で、限定的ながらもピアストリよりノリスを優先する方針に切り替えた。
だが、両ドライバー共にまだ、タイトルの可能性は残っている。過去11戦で誰よりも多くのポイントを稼いでいるピアストリは、ノリスとの差を着実に縮めており、いずれを優先すべきかという点で、マクラーレンのアンドレア・ステラ代表が今後、頭を抱える可能性はゼロではない。
マルコは、「前向きな点は、ピアストリがランドにポイントでかなり接近していることだ。それ故、チームオーダーに関しては、すぐに明確にはならないだろう」と語り、ピアストリとノリスがチーム内で互いにポイントを奪い合うことへの期待感をにじませた。