フェルスタッペン、10連勝目前の「緊急要請」で3秒のペースダウン…忍び寄ったモンツァの呪い
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マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はF1史上誰もなし得なかった10連勝記録の達成を目前に、チームからの「緊急要請」を受け3秒近くもペースダウンした。トラブルに見舞われたためだ。
結果的にはカルロス・サインツ(フェラーリ)を交わしてF1イタリアGPで逆転のトップチェッカーを受けたものの、モンツァの呪いだろうか。レース最終盤にレースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼから不吉な無線が飛んだ。
「ガスリーとのギャップを広げてくれ。これは緊急の要請だ」
フェルスタッペンはこの時、リードラップの最後尾を走るピエール・ガスリー(アルピーヌ)を捉えかけていた。
終盤に向けて1分25秒台中盤を刻んでいたが、ランビアーゼからの再三の指示を経て、フェルスタッペンのラスト2周目のラップタイムは1分28秒393と、3秒近くもダウンした。
前走車両のギャップを広げろとの指示から察するに、オーバーヒートを抱えていた可能性が疑われるが、レース後にこの問題について質問されたフェルスタッペンは「まだチームと話していないんだ。何が問題だったのかもね」と答えた。
「こうしろよって言われて、最後までそうしたんだ。運良く、後続とのギャップは十分にあったから最後まで気楽に走れたよ」
モンツァでは過去3年に渡って前年のウィナーが翌年のレースでリタイヤする展開が続いていたが、フェルスタッペンはこのジンクスを覆して2連覇を果たした。
メルセデスのトト・ウォルフ代表は軽視したが、10連勝という記録が偉業である事に疑いはない。
「もちろん、シーズン序盤の段階でこんなことが達成できるとは思ってもみなかったから、本当に誇らしく思うよ」とフェルスタッペン。
「ただ、今日のレース全体の出来にもかなり満足してるんだ。今回もペースは良かったし、タイヤマネジメントも上手くいった。序盤のバトルも楽しかったしね」
「ターン1で仕掛けてみたけどトップスピードが足らなくて、相手のミスやロックアップを待たなきゃならなかった」
「そうこうしていたらカルロス(サインツ)が少しロックしたから、ターン2からダッシュしてリードを獲ったんだ。その後は自分のペースに集中した。クルマは本当に気持ち良くドライブできた」
以前、自身が持つF1史上最多9連勝記録を更新するようフェルスタッペンにメールで激励したセバスチャン・ベッテルから祝福のメッセージはあったのだろうか?
「いや、まだスマホを見てないから、後で確認してみるよ」とフェルスタッペンは語った。
9月3日(日)にモンツァ・サーキットで行われた2023年F1第15戦イタリアGP決勝レースでは、2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が10連勝を飾った。2位はセルジオ・ペレス(レッドブル)。3位表彰台にはポールシッターのカルロス・サインツが滑り込んだ。
マリーナベイ市街地コースを舞台とする次戦シンガポールGPは9月15日のフリー走行1で幕を開ける。