ペレス、2025年F1シートの不確実性 初めて認める―最終戦リタイヤの裏で語った進退
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2024年シーズンのF1最終戦アブダビGPをリタイヤで終えたセルジオ・ペレス(レッドブル)は、2025年のシートが不確実な状況にあることを初めて認めた。今後数日間で行われるレッドブルとの話し合いを経て、進退が決定される見通しだ。
レッドブルはペレスとの契約を解除する意向を固めているとされ、チーム代表のクリスチャン・ホーナーが今週末のヤス・マリーナ・サーキットのパドックで、ペレスの代理人ジュリアン・ジャコビと複数回に渡り面会したと報じられている。
ペレスは、アブダビでの最終戦を10番グリッドからスタートしたが、オープニングラップのシケインでバルテリ・ボッタス(ザウバー)と接触。さらに翌周にはコース上にマシンを停め、リタイヤを余儀なくされた。シーズンを象徴するような厳しい締め括りだった。
エキゾーストノートが響き渡る中、早々にインタビューに応じたペレスは、自身の進退について尋ねられると、今後数日間で行われるレッドブルとの話し合いを経て「合意」に達しない場合、シートを失う可能性があることを示唆した。
「現時点では分からない。ただ、来年も契約を結んでいる。今後数日間で状況が変わらない限りは、来年もそのままの予定だ」とペレスは語った。
また、「これからの数日間で話し合いを行い、双方にとっての状況を話し合うことになる。合意に達するかどうか、見守るつもりだ。たださっきも言ったように、僕には来年の契約がある」とも語った。
自分から辞める意思は?との質問には、「ない」と答えた。
レッドブルはペレスに対し、シートを明け渡す代わりに、デビッド・クルサードのようなチームアンバサダーとしての役割を提案している模様だ。また、推定800万ドル(約12億円)の年俸も引き続き支払う意向と伝えられており、双方の合意形成に向けた話し合いが進められる見通しだ。
ペレスの後任候補として、姉妹チームRBに所属する角田裕毅とリアム・ローソンの名前が挙がっているが、実績で勝る角田裕毅ではなく、ローソンが有力視されていると広く報じられている。
一方、若手ドライバーの有望株であるアイザック・ハジャーは、FIA-F2選手権の最終戦で逆転を果たせず、ガブリエル・ボルトレートがチャンピオンに輝いた。ハジャーは、ローソンの後任として2025年に角田裕毅のチームメイトを務めるとの見方が強まっている。
レッドブルは、アブダビGP決勝翌日の12月9日(月)、株主や幹部が参加する会議を開き、2025年のドライバーラインナップについて検討する予定だ。
チームメイトのマックス・フェルスタッペンが4年連続のドライバーズチャンピオンに輝いた一方で、ペレスは今年、シーズンを通じて不調に喘ぎ、ランキング8位に終わった。
コンストラクターズ選手権では、マクラーレンが26年ぶりにタイトルを獲得。レッドブルは3年連続のダブルタイトルを逃し、両チームのポイント差は121点に及んだ。一方、フェルスタッペンとペレスの個人成績差はこれを上回る285点に達し、チーム内でのパフォーマンス格差が改めて浮き彫りとなった。
アブダビでのリタイヤの原因についてペレスは、ボッタスとの接触によるものではないと説明した。
「接触の前からエンジンにダメージがあった。クラッチを変えるたび滑っていたから、接触の前から問題があったように思う。その後、誰かにリアをぶつけられた。クルマを立て直した時にはクラッチがロックしていた」
レースとシーズン全体については「本当に難しいレースだった。今シーズンを象徴するようなレースだったと思う」と語り、「最終的にドライバーは、環境やクルマに大きく左右される。今年のクルマは一貫して100%のパフォーマンスを引き出すのが難しく、年間を通して本当に大変なシーズンだった」と付け加えた。