一丸となって掴んだ今季初優勝「ホンダもパワーユニットで勝利に貢献できた」と田辺TD / F1-70周年記念GP《決勝》2020
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ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが今季初優勝を飾った8月9日(日)のF1第5戦70周年記念GP決勝を振り返り、チームが一丸となって各々の役割を果たしたが故に掴み取れた勝利だ、との考えを示して「ホンダもパワーユニットを力強く機能させることで貢献できた」と語った。
ホンダエンジン勢はこの日、4台の内3台が入賞圏内でフィニッシュしてポイントを獲得した。
Pos | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|
1 | フェルスタッペン | レッドブル | 52 | 1:19:41.993 | 25 |
5 | アルボン | レッドブル | 52 | +39.146s | 10 |
10 | クビアト | アルファタウリ | 52 | +69.669s | 1 |
11 | ガスリー | アルファタウリ | 52 | +70.642s | 0 |
前日の予選でハードタイヤでのQ3進出を決めたフェルスタッペンは、上位10台の中で唯一、最も硬いタイヤコンパウンドを履いて4番グリッドからスタートすると、一気にニコ・ヒュルケンベルグ(レーシングポイント)を抜き去り、前走のメルセデス2台にプレッシャーをかけた。
ミディアムを履いていたメルセデス勢は、フェルスタッペンの猛攻によってタイヤを休ませる事が出来ず、ブリスターを発生させてしまい先にピットイン。ハードタイヤの耐久性を活かしてロングスティントを走ったフェルスタッペンがリードを奪った。
26周を終えてミディアムに履き替えたフェルスタッペンは、バルテリ・ボッタスの後方0.2秒の位置でトラックに戻ると、ルフィードコーナーでオーバーテイク。6周を走ったところでボッタスに合わせ込んで再度ピットインし、ハードタイヤに履き替えた。
暫定トップを走行していたルイス・ハミルトンが最後のピットストップに動くと再び首位を奪還。最終的に11秒以上のギャップを保ったままトップチェッカーを受けた。フェルスタッペンにとっては通算9回目、”レッドブル・ホンダ”としては4回目の勝利となった。
"We're definitely going to celebrate this one!" 📻
The moment Max crosses the line to win the 70th Anniversary Grand Prix 🎥🥇#F170#PoweredByHonda
— Honda Racing F1_Archive (@HondaRacingF1) August 9, 2020
アレックス・アルボンも素晴らしい走りを披露。ミディアムを履いて9番手からスタートすると、6周目でハードタイヤにチェンジ。すぐさまルフィードコーナーでランド・ノリス(マクラーレン)を交わした。30周目で再びハードタイヤに履き替えると、最後の2周でランス・ストロール(レーシングポイント)をオーバーテイクし、5位フィニッシュを果たした。
アルファタウリ・ホンダ勢は0.9秒という僅差でのフィニッシュとなった。
ハードタイヤで16番グリッドからスタートしたダニール・クビアトは、第1スティントを19周目まで引っ張りピットイン。35周目にミディアムタイヤに履き替えて10位フィニッシュを果たし、貴重な1ポイントを持ち帰った。
7番グリッドのピエール・ガスリーは、後続のアルボンのカバーのために7周目でピットインしてハードタイヤに履き替えるが、これが失策となりポジションダウン。23周目に再度ハードタイヤに履き替えてクビアトを追うも、無念の11位フィニッシュとなった。
ホンダ:F1-70周年記念GP決勝
田辺 豊治ホンダF1現場責任者
F1の70周年記念大会という特別なレース、そしてアストンマーチン・レッドブル・レーシングのファクトリーとホンダF1の拠点があるイギリスでのレースで、フェルスタッペン選手が2020シーズンの初勝利を獲得しました。
8月5日はホンダの創業者である本田宗一郎さんの命日です。そんな週末にホンダF1として勝利を上げることができたことは感慨深く、また大変うれしく思っています。
今週は金曜日の走行開始時からタイヤに非常に厳しいレースになることが予想されました。そのためチームは予選の段階から勝つための戦略を立てていました。
レースではドライバーのフェルスタッペン選手が素晴らしいドライビングでこれに応え、我々ホンダも信頼性を発揮しつつもパワーユニットを力強く機能させ、この勝利に貢献できたと感じています。すばらしいチームワークの賜物による勝利でした。
チームメイトのアルボン選手は9番グリッドからのスタートで、トラフィックに阻まれる難しい展開でしたが、粘りの走りを見せての5位入賞。後方スタートのクビアト選手も10位入賞と、ホンダとして良い結果を収める事ができました。
プラクティスと予選で好調だったガスリー選手は、レースペースが上らず惜しくも11位に終わりましたが、この先のレースでも好調を維持して好結果を出してくれることを期待しています。
シーズン初勝利を挙げるまで少し時間がかかってしまいましたが、ファンのみなさんにようやく勝利を届けることができ嬉しく思っています。
この先も厳しい戦いが続きますが、更に勝利を手にするためにチームとともに戦闘力向上に向け努力を続けますので、引き続きの応援をよろしくお願いいたします。
8月9日(日)にシルバーストン・サーキットで行われた2020年F1第5戦70周年記念グランプリ決勝レースでは、4番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が通算9勝目、今季初優勝を飾った。2位はルイス・ハミルトン、3位表彰台にはバルテリ・ボッタスが滑り込んだ。