悲痛の母国DNFも…誰よりも先に涙するハミルトンに駆け寄ったラッセル、失望もたらしたメカニカルトラブルを語る
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前戦ウィナーでポールシッターのジョージ・ラッセル(メルセデス)は、メカニカルトラブルで母国F1イギリスGPでの優勝のチャンスが奪われたにも関わらず、誰よりも先にパルクフェルメに駆け寄り、3年ぶりの優勝に涙するルイス・ハミルトンを祝福した。
52周のレースの17周目までリードしていたラッセルはその後、雨が振り始めると、ハミルトンとマクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)に追い抜きを許して28周目に5番手にまで後退した。
この時既に、クルマには冷却系統のトラブルが発生しており、ステアリング上のダッシュには水温警告のアラートが出ていた。そしてパワーユニットの温度上昇が危険域に達したため、34周目にクルマをガレージに入れることを余儀なくされた。
レース後、感想を尋ねられたラッセルはすっかり意気消沈した様子で次のように答えた。
「ああ、本当にがっかりだ。ドライコンディションだった序盤はすべてが順調だったけど、その後のダンプコンディションはかなり厳しかった」
「パワーが落ち始めて、その後、クルマをリタイアさせなければならなかった…本当に残念だ」
前戦オーストリアでの優勝に続き、メルセデスはシルバーストンでの初日金曜に速さを見せ、予選ではフロントローを独占。サマーブレイクを前に一気にトップ争いに加わった感があるが、それは少なくともラッセルにとって、母国リタイヤの無念を払拭するものではなかった。
ラッセルは「ポジティブな面があったのは確かだ。クルマには速さがあったし、これからチャンスは増えるだろう」としつつも、次のように答えて足早にその場を去った。
「そうは言っても、どのレースであれリタイアするのは残念だ。ましてや地元のレースなら尚更だ。おまけに、少なくとも表彰台に上がれるチャンスは間違いなくあったんだから」
悲痛に打ちひしがれながらもラッセルはこの後、パルクフェルメで涙を流すハミルトンに誰よりも先に駆け寄り、その勝利を祝福した。
2024年F1第12戦イギリスGPでは、2番グリッドからスタートしたルイス・ハミルトン(メルセデス)が3年ぶりのトップチェッカーを受け通算104勝目を上げた。2位はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位表彰台にはランド・ノリス(マクラーレン)が続いた。
ハンガロリンクを舞台とする次戦ハンガリーGPは7月19日のフリー走行1で幕を開ける。