このままだと厳しい…とメルセデス、”氷のようなイスタンブール”でレッドブル・ホンダに遅れを取った理由

ガレージに押し込まれるメルセデスW11、2020年F1トルコGPにてcopyright Daimler AG

メルセデスは金曜日に爪を隠す傾向があるが、それでもなお、11月13日(金)に行われたF1第14戦トルコGP初日プラクティスでのブラック・アローは、2回のセッション共にレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンから大きく遅れを取っているように見えた。

フリー走行1ではバルテリ・ボッタスが9番手、ルイス・ハミルトンが15番手という結果に終わり、午後のセッションでは帳尻を合わせてきたものの、それでもなお予選シミュレーションを終えたボッタスはフェルスタッペンに0.575秒差の3番手にとどまり、ハミルトンはチームメイトから0.275秒遅れの4番手でクルマを降りた。

全長5.338kmのイスタンブール・パーク・サーキットは最近再舗装されたばかりで、路面は以前よりもはるかに攻撃性が低く、更には今朝方に表面のオイルやタールを除去するためにコースが高圧洗浄されたため、特にFP1は非常に滑りやすいコンディションでの走行を強いられた。

2010年のトルコGPウィナーであるハミルトンは「正直言って、今日はちょっとした災難だったよ」と述べ、苦戦していた事を認めた。

「同じく再舗装された路面が新しくなったポルティマオの時以上に酷かった。他の人達がどうなのかはさておき、少なくとも僕らにとってはタイヤが機能せず、コースがまるでアイスリンクのようだった。この状況が(明日以降)変わるとは思わない」

「ほんとに恐ろしかった。至る所にウェットパッチがあるような感じで、スリックタイヤを履いてアクセルを踏み込むと、一瞬でクルマがスナップしてしまう状況だった」

一体何がメルセデスW11のパフォーマンスを阻害していたのだろうか? ハミルトンは「タイヤの温度が作動領域に達していなかったんだ」と説明し、「タイヤが機能していない以上、何がバランス上の問題を引き起こしているのかは分からない」と付け加えた。

「でも、他の連中の何台かは徐々にタイヤを機能させ始めているみたいだ。突如としてラップタイムが1秒縮まる事があるけど、あれは2・3個のコーナーでタイヤが機能しさえすればそうなるんだ」

「レッドブルが本当に上手くやっているのは明らかだし、何を変更すべきかを明確にするために、僕らにはやらなきゃならない仕事がある」

エンジニアリングディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンもレッドブル・ホンダとのパフォーマンス差が大きい事を認めた上で「現時点ではあまり良い状態とは言えず、一晩で大きな進歩がないと予選と決勝では厳しい状況を強いられるだろう」と語った。

一方、金曜日の両セッションでチームメイトをリードしたボッタスは、氷のような路面状況にも関わらず、自身初となるイスタンブール・パーク・サーキットを堪能したようだ。ボッタスはオフシーズン中にしばしば、ラリーカーをドライブする。

「今朝、最初にコースに出た時はまるでラリーのような感触で、F1で慣れ親しんでいる普段のドライビングとは大きくはかけ離れていたけど、色々試したりしながらクルマで遊べて本当に楽しかった。いや本当に楽しかったよ」とボッタス。

「ターマックは新しい上にかなりスムーズで、タイヤを温めるのが余計に難しかった。この手のコースでアドバンテージを得るためにはタイヤの熱入れが鍵になる。ウインターテストで似たような経験をした事があるけど、ここまで極端なコンディションは初めてだ」

「今日は至る所でコースオフする場面が見られたけど、これによってラップタイムが失われる事になった。この傾向は週末を通してずっと続くんじゃないかな」

「フロントに若干グレイニングを抱えたけど、グリップレベルという点ではソフトタイヤがベストで、フィーリングも良かった」

「今日の走行から多くの事を学べたけど、セットアップにしろレース戦略にしろ、適切な判断を下すのはかなり難しいし、競争力という点でもやるべき仕事が残っている」

F1トルコグランプリ3回目のフリー走行は日本時間11月14日(土)18時から、公式予選は同21時から1時間に渡ってイスタンブール・パーク・サーキットで開催される。

F1トルコGP特集

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