ホンダ勢 3番手発進、車体交換のベッテルは5番手と復調の兆し / F1スペインGP《FP1》結果とダイジェスト

カタロニア・サーキットのグランドスタンドとレッドブル・ホンダRB16、2020年スペインGPフリー走行1copyright Red Bull Content Pool

シーズン6戦目となる2020年F1世界選手権スペインGPが、8月14日にカタロニア・サーキットで開幕を迎え、日本時間18時から金曜1回目のフリー走行が行われた。グランプリ一発目のセッションを制したのはバルテリ・ボッタス。1分16秒785のトップタイムを記録した。2番手には1000分の39秒差でルイス・ハミルトンが続きメルセデスが1-2発進を決めた。

3番手はメルセデスにとっての最大の驚異と見なされているレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。ただし、最速ボッタスとのギャップは0.939秒と大きく開いた。アレックス・アルボンはフェルスタッペンにコンマ8秒遅れて8番手につけた。

グリーンフラッグ後、アルボンは1周のインストールラップを終えた後にクルマを降り、メカニックがRB16のフロントエンドからケーブルを引き抜いて何某かの作業を行う場面があった。大事には至らず10分程でコースに復帰するも、1時間が経過したところで今度は「パワーを失ったみたいだ」と報告。エンジニアが「低速で戻ってきてくれ。問題が発生したのかもしれない」と返答するシーンもあったが、こちらも深刻なものではないようで27周を走り込んだ。

金曜午前の現地バルセロナは好天に恵まれ、セッションは気温28℃、路面温度35.4℃のドライコンディションでスタートした。公式タイヤサプライヤーのピレリは、最も硬いレンジのC1からC3までの3種類のコンパウンドを持ち込んだ。

先週末の70周年記念GPでタイヤのブリスターに苦戦したメルセデスは、今回も再び同様の問題に見舞われている。ソフトタイヤでのプッシュラップの際、2台のタイヤにはブリスターの兆候が見て取れた。更に気温が上がると予想される午後はより顕著となるやもしれない。なおボッタスは、走行中に自身のヘルメットと鳥が軽く接触するアクシデントに見舞われた。

トップ3の後にはフェラーリ勢が続いた。先週末のレース後に行われた分析の結果、ダメージが確認されたとしてモノコックを交換してセッションに臨んだセバスチャン・ベッテルは、4番手タイムを刻んだ僚友シャルル・ルクレールの1000分の11秒落ちとなる5番手タイムを記録。復調の兆しを見せている。

アルファタウリ・ホンダ勢は、チェンジギアとドグリングへの物理的な損傷が確認されたとして、週末に先立ってダニール・クビアトの5・7番ギアを同じ仕様の新しいものに交換した。理由は不明だが、クビアトは序盤30分に渡ってガレージに留まり、セッションの約3割を失った。最終的に21周を走り込んだものの17番手でヘルメットを脱いだ。ピエール・ガスリーは14番手だった。

なおホンダF1は、週末に先立ってクビアトの全6つのコンポーネントを一新すると共に、ガスリーに2基目のES(バッテリー)を投入し、更にレッドブルに関してはアルボンに今季3基目となるターボチャージャーとMGU-Hを投入した。今シーズンにおける3基目の投入はホンダエンジン勢が初となる。

ウィリアムズはジョージ・ラッセルに代えて、イスラエル出身のロイ・ニッサニーを起用。ターン10でタイヤをロックさせて360度スピンを喫する場面もあったが、レギュラードライバーのニコラス・ラティフィとのギャップを0.33秒に抑える20番手タイムをマークした。

マクラーレンは前戦で抱えた原因不明のオーバーヒートに対処すべく、週末に先立ってカルロス・サインツのモノコックを交換した。現時点ではその成果が出ているかは分からないが、母国レースのマタドールは11番手タイムを刻み、13番手につけたチームメイトのランド・ノリスを上回った。

今季は良いところが一切ない厳しいシーズンを過ごしているハースは、ロマン・グロージャンが6番手、ケビン・マグヌッセンが9番手タイムを刻んだ。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から完全復活し、ニコ・ヒュルケンベルグからRP20のステアリングを引き継いだセルジオ・ペレスは7番手タイムを記録。ランス・ストロールも10番手につけており、レーシングポイントは今回も力強さを見せている。

2020年F1第6戦スペイングランプリ2回目のフリー走行は、日本時間8月14日(金)22時から1時間半の日程で開催される。

2020年F1第6戦スペインGPフリー走行1(FP1)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:16.785 33
2 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:16.824 +0.039 29
3 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:17.724 +0.939 26
4 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:17.970 +1.185 27
5 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:17.981 +1.196 27
6 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 1:18.291 +1.506 29
7 11 セルジオ・ペレス レーシングポイント 1:18.471 +1.686 31
8 23 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 1:18.606 +1.821 27
9 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:18.620 +1.835 28
10 18 ランス・ストロール レーシングポイント 1:18.643 +1.858 31
11 55 カルロス・サインツ マクラーレン・ルノー 1:18.733 +1.948 33
12 31 エステバン・オコン ルノー 1:18.736 +1.951 31
13 4 ランド・ノリス マクラーレン・ルノー 1:18.744 +1.959 32
14 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:18.888 +2.103 26
15 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 1:18.917 +2.132 24
16 7 キミ・ライコネン アルファロメオ 1:18.981 +2.196 24
17 26 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 1:19.145 +2.360 21
18 3 ダニエル・リカルド ルノー 1:19.230 +2.445 31
19 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:20.334 +3.549 30
20 40 ロイ・ニッサニー ウィリアムズ・メルセデス 1:20.664 +3.879 25

コンディション

天気晴れ
気温28℃
路面温度35.4℃

セッション概要

グランプリ名 F1スペインGP
セッション種別 フリー走行1
セッション開始日時

サーキット

名称 カタロニア・サーキット
設立 1991年
全長 4657m
コーナー数 14
周回方向 時計回り

F1スペインGP特集

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