ノリス、2度の接触も圧勝…角田裕毅またも蹴り出しで遅れ入賞ならず / F1シンガポールGP 2024《決勝》結果と詳報

トップで1周目のターン1を通過するランド・ノリス(マクラーレン)、2024年9月22日F1シンガポールGP決勝レース(マリーナベイ市街地コース)Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2024年シーズンのFIA-F1世界選手権第18戦シンガポールGPが現地9月22日にマリーナベイ市街地コースで行われ、ランド・ノリス(マクラーレン)が圧巻のポール・トゥ・ウインで今季3勝目を挙げた。角田裕毅(RB)は12位と、ポイント獲得を逃した。

ノリスは2度に渡って壁に接触したが、いずれも深刻なものではなく、全周リードを達成し、タイトルを争うマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に20.945秒差をつけトップチェッカーを受けた。結果、6レース、3スプリント残し、選手権での差を52点に縮めた。

オスカー・ピアストリは第1スティントを誰よりも長く引っ張り、フレッシュなタイヤを活かして終盤にメルセデス勢を攻略し、3位フィニッシュによってチームに逆転のダブル表彰台をもたらした。これによりマクラーレンは、コンストラクターズ選手権におけるレッドブルに対するリードを41点に拡大した。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

表彰台でシャンパンシャワーを楽しむ優勝したランド・ノリス(マクラーレン)、2位マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位オスカー・ピアストリ(マクラーレン)、2024年9月22日(日) F1シンガポールGP決勝(マリーナベイ市街地コース)

ジョージ・ラッセル(メルセデス)は、トラックリミットにより予選9番手と後手に回ったシャルル・ルクレール(フェラーリ)の追撃を受けたが、なんとかこれを凌ぎ切ってスタートポジションの4位を守ったが、3番グリッドに着いた僚友ルイス・ハミルトンは、変則のソフトスタートがポジションアップもペースももたらさず、トップ10としては最も早い17周目にピットイン。オーバーカットとコース上での追い抜きを許して6位でフィニッシュした。

カルロス・サインツ(フェラーリ)は、12番手を走行していた13周目という、ハミルトンよりも早い段階でピットストップを消化し、怒涛のアンダーカットを成功させて7位入賞を果たした。

フェラーリ勢にポジションを奪われながらもフェルナンド・アロンソは、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)を交わして9位に抑え、8位フィニッシュによってアストンマーチンに4点をもたらした。

予選Q2敗退を喫したセルジオ・ペレスは10位でレースを終えたが、1点の加算はレッドブルのコンストラクターズ選手権に役立つものではなかった。

8番グリッドに着いた角田裕毅(RB)はまたも蹴り出しが悪く、1周目に3台に追い抜きを許して早々に11番手に後退。最終第2スティントでソフトを履き、フランコ・コラピント(ウィリアムズ)に迫ったが、2.5秒及ばず12位でクルマを降りた。2台のVCARB 01は度々、スタートでポジションを落としている。

チームメイトのダニエル・リカルドはハミルトンと並ぶ唯一のソフトスタートを選択。こちらも、その瞬発力をポジションアップに繋げることができず、終盤に2回目のピットストップを行い、ソフトタイヤで最速ラップを記録して18位でレースを終えた。

チームからの餞別なのか、ノリスが保持していたファステストを奪うことによって、フェルスタッペンをサポートするものだったのか。一件を巡ってはパドックの一部で論争となり、マクラーレンのザク・ブラウンCEOはレッドブル系列の2チームが共謀した疑いがあるとして追及する意向を明らかにした

週末を経てリアム・ローソンとの交代が発表されたリカルドは、この日のDriver of the Dayに選出された。

アレックス・アルボンはスタート直後、チームメイトのコラピントに押し出される格好となりポジションを大きく落とした後、パワーユニットのオーバーヒートに見舞われ16周目にクルマをガレージに入れた。ケビン・マグヌッセン(ハース)もレース終盤にパンクに見舞われリタイアした。

2008年の初開催以来、マリーナベイ市街地コースでのレースはセーフティーカー(SC)出動率が100%となっていたが、今回初めてSCなしに62周を消化した。

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2024年F1シンガポールGP決勝レースのドライバー別タイヤ戦略表、2024年9月22日バクー市街地コース

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2024年F1シンガポールGP決勝レース中の気温および路面温度の変化グラフ、2024年9月22日バクー市街地コース

2024年F1第18戦シンガポールGP決勝リザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 62 1:40:52.571 25
2 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 62 +20.945s 18
3 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 62 +41.823s 15
4 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 62 +61.040s 12
5 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 62 +62.430s 10
6 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 62 +85.248s 8
7 55 カルロス・サインツ フェラーリ 62 +96.039s 6
8 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 61 +1 lap 4
9 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 61 +1 lap 2
10 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 61 +1 lap 1
11 43 フランコ・コラピント ウィリアムズ・メルセデス 61 +1 lap 0
12 22 角田裕毅 RB ホンダRBPT 61 +1 lap 0
13 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 61 +1 lap 0
14 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 61 +1 lap 0
15 24 周冠宇 ザウバー・フェラーリ 61 +1 lap 0
16 77 バルテリ・ボッタス ザウバー・フェラーリ 61 +1 lap 0
17 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 61 +1 lap 0
18 3 ダニエル・リカルド RB ホンダRBPT 61 +1 lap 0
19 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 57 DNF 0
NC 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 15 DNF 0

コンディション

天気晴れ
気温31℃
路面温度37℃
周回数62

セッション概要

グランプリ名 F1シンガポールGP
レース種別 決勝
レース開始日時

サーキット

名称 マリーナベイ市街地コース
設立 2008年
全長 4940m
コーナー数 19
周回方向 反時計回り

F1シンガポールGP特集

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