赤旗5回の大混乱…角田裕毅がキャリア最高3番手!Q2敗退フェルスタッペンは運営に激怒 / F1サンパウロGP 2024《予選》結果と詳報

キャリア予選の3番手を獲得し、パルクフェルメで喜ぶ角田裕毅(RBフォーミュラ1)、2024年11月3日(日) F1サンパウロGP(インテルラゴス・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

5度の赤旗が振られる混乱と波乱を経て、ランド・ノリス(マクラーレン)がFIA-F1世界選手権第21戦サンパウロGPのポールポジションを獲得した。角田裕毅(RBフォーミュラ1)はキャリア最高位となる3番手を記録した。

予選は当初、11月2日(土)の午後に予定されていたが、豪雨による再三のディレイを経て日曜日への延期が決まり、全20台で争われる18分間のQ1は、当初の予定より16時間半遅れでスタートした。予選がレースと同日に開催されるのはF1史上6回目のことだった。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

水しぶきを上げながらインテルラゴス・サーキットのホームストレートを駆け抜ける角田裕毅(RBフォーミュラ1)、2024年11月3日F1サンパウロGP予選

Q1は完全なフルウェット・コンディションだったが、セッションを経る毎に路面は改善していき、ポール争いはインターミディエイトでの争いとなった。

計5台がクラッシュを喫し、5回に渡って赤旗が振られる中、ノックアウト寸前に追い込まれる場面がありながらも、角田裕毅は、雨のインテルラゴス・サーキットで安定的に好タイムを刻み、ジョージ・ラッセル(メルセデス)に次ぐ3番手を獲得した。

最終Q3では、ターン4でクルマのコントロールを失いハーフスピンを喫したが、幸いにもグラベルに乗ったことで減速。バリアとの衝突を逃れ、最終ラップでエステバン・オコン(アルピーヌ)を退けると、2列目3番グリッドを確保した。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

パルクフェルメで写真撮影に応じるポールポジションのランド・ノリス(マクラーレン)、2位のジョージ・ラッセル(メルセデス)、3位の角田裕毅(RBフォーミュラ1)、2024年11月3日(日) F1サンパウロGP予選(インテルラゴス・サーキット)

RBはリアム・ローソンも5番手と上位を持ち帰ったが、シニアチームのレッドブルは赤旗の不運もあり、衝撃のダブルQ2敗退を喫した。

12番手に終わったマックス・フェルスタッペンは、ランス・ストロール(アストンマーチン)のクラッシュに関して、黄旗から赤旗に切り替わるのに40秒もの遅れがあったとして、レースディレクターの判断に激怒した。

チーム代表のクリスチャン・ホーナーは「すぐに赤旗が振られていたら、マックスは10番手だったはずだし、もう1ラップ走る時間もあったはずだ」と指摘し、「本当に苛立たしい」と付け加えた。

タイトル争いのライバル、ノリスがポールからレースをスタートする一方、フェルスタッペンは6基目のICE(内燃エンジン)投入により、降格ペナルティを受けて17番グリッドに着く見通しだ。

ラッセルが最前列を持ち帰った一方、メルセデスのチームメイト、ルイス・ハミルトンは16番手でQ1敗退を喫した。

アストンマーチン勢は、Q2でクラッシュを喫したランス・ストロールに続き、フェルナンド・アロンソがQ3最初のラップのターン11でバリアに衝突。2台共がクルマにダメージを負った。時計の針は6分59秒で止められた。

セッションが再開されると、今度は暫定2番手につけていたアレックス・アルボン(ウィリアムズ)がターン1で大クラッシュ。リアと車体左側が大きく損傷した。最終的には7番グリッドを獲得したものの、クルマにダメージを負った他のドライバー同様、レースまでに修復できるかどうかは不透明だ。

予選Q1:ハミルトン敗退

copyright FORMULA 1

2024年F1サンパウロGP予選Q1結果表、2024年11月3日インテルラゴス・サーキット

再舗装された路面のウェットを走るのはこれが初ということで、各車、慎重にコースへと入っていったが、ローソン、ストロール、周冠宇(ザウバー)が相次ぎコース外に飛び出し黄旗が振られた。

ノリスがラップ序盤のアクアプレーニングを報告する中、角田裕毅がルクレールにコンマ6秒以上の差をつけてタイムシートのトップに立った直後、フランコ・コラピント(ウィリアムズ)がターン3でクルマのコントロールを失い、バリアに衝突。残り8分50秒で最初の赤旗が振られた。

バルテリ・ボッタス(ザウバー)は果敢にもインターミディエイトに履き替えたが、コース外に飛び出し、赤旗中にインターに戻した。

セッションが再開されると、タイムを改善できずに多くが苦しんだが、最終ラップでは次々とタイムシートのトップが入れ替わった。

ノリスは最終ラップを前にノックアウト・ゾーンに沈んでいたが、ハミルトンを蹴落とし、15番手ギリギリでQ2に駒を進めた。

ローソンはラップ毎にタイムを縮めていき、角田裕毅から0.586秒遅れの14番手を記録した。

12番手に沈んでいたフェルスタッペンは、最終ラップでアルボンをコンマ1秒差で上回り、トップ通過を果たした。

14年前のブラジルでキャリア唯一のポールポジションを獲得したニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)は19番手に終わった。体調不良のケビン・マグヌッセンの代役、オリバー・ベアマンは17番手とチームメイトを上回った。

予選Q2:レッドブルW敗退、角田は間一髪

copyright FORMULA 1

2024年F1サンパウロGP予選Q2結果表、2024年11月3日インテルラゴス・サーキット

5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、ピアストリがいち早く、インターミディエイトでコースインした。

角田裕毅は最初のラップがターン4のトラックリミットで抹消となり、続くラップでは自己ベストを刻んでいたものの、ノリスがピットインしてインターに履き替えると、最終セクターでアクセルを緩め、ピットに入ってマクラーレン勢に続いた。

コースに復帰して計測を開始した直後、不運にもカルロス・サインツ(フェラーリ)がターン2でクラッシュ。アクセルを踏んだ瞬間にリアが滑り、スピンを喫してバリアに衝突したことで赤旗が振られた。サインツに怪我はなく、チームに謝罪した。

暫定14番手からリスタートに臨んだ角田裕毅は、4番手を刻んでノックアウト・ゾーンから脱出するも、タイムシートは次々と塗り替えられていき、10番手にまで後退。最終ラップに向かうと、今度はストロールがターン3でクラッシュしてセクター1に黄旗が振られた。

タイム更新が絶望視されたが、黄旗がその後、赤旗に切り替えられてセッション打ち切りとなったことで、間一髪でQ3に駒を進めた。

レッドブル勢は計測ラップのチャンスを奪われ、フェルスタッペンが12番手、ペレスが13番手でWノックアウトを喫した。

マックスの父、ヨス・フェルスタッペンはテーブルを叩いてフラストレーションを爆発させ、ペレスはコースインのタイミングについてチームに苛立ちをぶつけた。


決勝レースは日本時間11月3日(日)24時30分にフォーメーションラップが開始され、1周4309mのインテルラゴス・サーキットを71周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2024年F1第21戦サンパウロGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:30.944 1:24.844 1:23.405 33
2 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:29.121 1:26.307 1:23.578 29
3 22 角田裕毅 RB ホンダRBPT 1:29.172 1:26.464 1:24.111 30
4 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:29.171 1:26.206 1:24.475 31
5 30 リアム・ローソン RB ホンダRBPT 1:30.758 1:25.654 1:24.484 30
6 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:29.839 1:26.097 1:24.525 29
7 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:29.072 1:25.889 1:24.657 28
8 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:30.114 1:25.179 1:24.686 28
9 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 1:30.207 1:25.035 1:28.998 21
10 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:30.580 1:26.334 19
11 77 バルテリ・ボッタス ザウバー・フェラーリ 1:30.633 1:26.472 21
12 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:28.522 1:27.771 19
13 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 1:30.035 1:28.158 18
14 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:30.303 1:29.406 17
15 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1:29.420 1:29.614 21
16 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:31.150 11
17 50 オリバー・ベアマン ハース・フェラーリ 1:31.229 11
18 43 フランコ・コラピント ウィリアムズ・メルセデス 1:31.270 5
19 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 1:31.623 12
20 24 周冠宇 ザウバー・フェラーリ 1:32.263 12

コンディション

天気
気温20℃
路面温度22℃

セッション概要

グランプリ名 F1サンパウロGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 インテルラゴス・サーキット
設立 1936年
全長 4309m
コーナー数 15
周回方向 反時計回り

F1サンパウロGP特集

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了