復活の表彰台…ダニール・クビアトはもっと子供を作るべき、とレッドブル
Published:
レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、F1ドイツGPで3位表彰台を獲得したダニール・クビアトに対して「もっと子供を作るべきだ」と冗談を飛ばした。
トロロッソにチーム創設以来2度目となる表彰台をもたらした前日の27日土曜、クビアトはパートナーであるケリー・ピケ(ネルソン・ピケの長女)との間に第一子を授かった。まだ名前のないその女の子は、土曜の早朝に生まれた。
週末真っ只中ゆえにクビアトは出産に立ち会えなかったものの、今季初の雨のレースとなった決勝では、シャルル・ルクレールやバルテリ・ボッタスといった表彰台の常連がミスを喫してクラッシュする中、巧みなステアリング捌きでポジションを大きく上げ、見事ポディウムを掴み取った。
トロロッソにとっては、雨のモンツァでセバスチャン・ベッテルが優勝を飾った2008年以来11年ぶりの表彰台。ファエンツァのチームは歓喜に湧いた。
クリスチャン・ホーナー代表は、生まれてきた赤ん坊が表彰台をもたらしたのだとすれば、クビアトはもっと多くの子供を設けるべきだ、と語り微笑んだ。
「(クビアトのリザルトは)途方もないことだ。彼はもっと多くの子供を設けるべきだ!」
「私は彼に非常に満足している。キャリアを放棄することなく我々のプログラムにカムバックし、昨日父親となって今日表彰台に上がった。あの走りは本当に成熟したものだった」
浮き沈みの激しいキャリアを過ごしてきたクビアトにとって、今回の3位は勝利にも等しいものだった。トロロッソでF1デビューを果たし、その実力を認められレッドブル昇格の切符を掴んだものの、すぐさまマックス・フェルスタッペンにシートを奪われ、トロロッソに降格した後は契約打ち切り。急転直下でF1を去った。
挫折を味わいながらも夢を諦めなかったクビアトは、フェラーリの開発ドライバーとしてF1浪人となる事を決断。そして2019年、レッドブル昇格を決めたピエール・ガスリーの後任として、再びF1の表舞台に復活した。
「ここ数年は、僕の人生において信じがたいものだった」クビアトはレース後の記者会見でこのように語った。
「厳しい時期だったし色々と思うところがあった。僕にとってのF1はもう終わってしまったって思ってたから、表彰台なんてもう二度と上れないだろうって考えていた」
「でも、人生というものは、決して諦めずに一生懸命努力すれば報われる。今日起こったのはまさにそういう事なんだと思う」