F1開幕戦に影響?レッドブル、”競合2チーム”に対する抗議書を提出との報道—FIAが監査へ

ピットレーンを走行するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング/RB21)、2025年2月28日(金) F1プレシーズンテスト3日目(バーレーン・インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

F1プレシーズンテストを経て、レッドブルが国際自動車連盟(FIA)に対し、フェラーリとマクラーレンのフレキシブル・ウイングの使用について正式な抗議書を提出する構えだと報じられている。

イタリアのF1専門メディア「Formula Uno Analisi Tecnica」によると、バーレーンでのテスト期間中にレッドブルの技術責任者、ピエール・ワシェが直接、FIAのスチュワードに抗議した。しかし、FIAは即座に対応せず、抗議を却下。これを受け、レッドブルは正式な抗議書を用意したという。

報道によると、FIAのテクニカル・デリゲートがシーズン開幕前にフェラーリ(イタリア・マラネロ)とマクラーレン(イギリス・ウォーキング)の本拠地を訪れ、開発プロセスの監査を行う見通しだとされる。

問題視されているのは、特定の条件下でウイングの角度が変化し、空力性能を向上させる設計だ。特に、高速時にリアウイングが変形してダウンフォースとドラッグ(空気抵抗)を低減し、ストレートスピードを向上させる仕組みが疑われている。

この技術には2つの手法が考えられる。

一つには、カーボンファイバーのレイヤー構造や素材の組み合わせを工夫することで、パーツの剛性を調整する方法。もう一つは、リアウイングのマウント部分を車体下部と連結させ、走行中の車体の沈み込みを利用してウイングの角度を変化させる方法だ。

こうした仕組みを利用すると、減速時にはウイングが元の位置に戻るため、FIAの静的検査をクリアできる。

フェラーリとマクラーレンが使用しているとされる技術は、昨年のアゼルバイジャンGPで注目を集め、その効果がDRS(空気抵抗低減システム)に類似していることから、一部では「ミニDRS」とも呼ばれている。

バーレーンテストでの件とは別に、昨年のフレキシブル論争を受けFIAは、2025年シーズンからウイングの剛性検査を強化する。リアウイングに関する新規制はオーストラリアでのシーズン開幕戦から適用され、フロントウイングの規則は6月のスペインGPより適用される。

具体的には、フロントウイング外側の”たわみ許容値”が従来の15mmから10mmに、中央部は3mmから2mmに削減される。これにより、非線形的なたわみを生じさせることが困難になり、高速域での空力的なアドバンテージを得にくくなると見られている。

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